お問い合わせ先
岡山県岡山市中山下1-5-38
池上歯科医院
TEL:(086)-231-0086
FAX:(086)-234-2999

歯の噛み合わせ

TOPページ>>歯の噛み合せ

2010年06月28日

片頭痛と歯科的治療

日本人の3000万人(3~4人に1人)が頭痛持ちと言われて、2000万人が緊張型頭痛で6割が女性、840万人が片頭痛持ちで8割が女性と言われています。
女性が多いのは生理中にエストロゲンが血中から減少し、それがセロトニンに影響を与えて起こると考えられています。
遺伝的傾向が強く、80~90%に家族歴が認められ母親が片頭痛だと子供の半数に現れると言われています。
若年期に発症が多く、90%が40歳までに発作を経験しますが、年々と症状は軽くなる傾向にあります。
4人に1人の割合で発作前日、数日前に口渇、あくび、眠気、口唇・顔面・手のしびれ、上下肢の脱力、吐き気、嘔吐を伴う事もあり、又、神経症状として突然白色の閃光、まぶしい、稲妻など明るく輝く幻覚が数分間、視野をゆっくり横切りその後、暗点を残す視力症状も現れます。
症状は1回起きると数時間から数日集中的に続く為に、頭痛の部分的な片寄ではなく、時間的な片寄から片頭痛と言われています。だから両側に起こる片頭痛もあるのです。血管の拡張が原因で起こり、セロトニンという神経伝達物質(神経末端から放出され、次の神経細胞に信号を伝える物質)が発生に深く関わっている事が判明しています。もちろん、片頭痛に対する薬物療法の特効薬もあり、医療機関で相談してください。
歯科的な私の考えは、噛み合わせが狂い、下顎のズレを生じた事で自律神経が乱れて、血管が拡張して片頭痛が起きていると考えられて、噛み合わせ治療のスプリント装着により下顎のズレが元に戻る事で、前頭眼窩皮質の血流が上昇し、セロトニンが放出されて血管が収縮して症状が改善、解消されると考えています。

次回は群発頭痛についてです。

pain01_img_02.jpg


2010.6.9

投稿者:池上 孝

2010年06月21日

セロトニンと片頭痛

セロトニンは、セロトニン神経から出る神経伝達物質で、この神経は大脳から脊髄を通って、全身に広がっており、自律神経をコントロールし、心身のバランスを保つ重要な役を果たしています。
「心が曇った」状態を長く続くとセロトニンの分泌は制御されて、「心が晴れる」とセロトニンの分泌が増えます。
セロトニンは光の刺激で活性化される為、朝の光を浴びることでセロトニンからメラトニンへの変化が促されて睡眠の覚が高まります。
セロトニン神経を活性化するには、息をしっかりと吐く「呼吸運動」ウォーキングや、よく噛んで食べる咀嚼運動などのリズミカルな動作を繰り返す運動が効果的です。
セロトニンの働きによって脳の血管は常にある程度緊張した状態が保たれて、  神経から痛みの伝達物質が出ないように血管の中には常にセロトニンが存在しているのですが、ストレスを受けたり、寝不足になると血管内のセロトニン濃度が下がり、血管が拡張して片頭痛が起こっています。


2010.2.13

次回は片頭痛と歯科的治療についてです。

投稿者:池上 孝

2010年06月14日

歯科心身症と噛み合わせ

歯科心身症という病気を知っていますか?
原因不明の顔面痛、歯痛、舌痛症、顎関節症の痛みの症状とドライマウス、味覚異常、義歯や歯の噛み合わせの違和感がとれないなどの症状を訴えます。
それらは器質的な口腔内の異常による症状ではなく、検査で咬合関係での異常は認められないのに咬合の異常を訴えたり、歯列矯正治療後に咬合異常や舌痛症を訴えます。
歯科治療をしても歯の痛みが取れなくて舌に異常を感じるなどの症状が特徴で、近年増加の傾向にあります。
原因はストレス、気分障害(鬱病、抑うつ状態)、不安障害などと言われて、心療内科、精神科など、様々な医療機関をドクターショッピングを繰り返しているが原因不明で、症状の改善は見られずに、カウンセリングやサイコセラピーといった心理療法向精神薬や抗うつ薬の薬物療法でも変化がなくて、最後には歯科心身症もストレスから発症した現代病と言われ、もがき苦しんでいる人々が多いと思いますが、先進医療で脳の前頭葉の血流の変化を画像検査で精神疾患を診断する方法が可能になり、噛み合わせと前頭葉の血流の関係もいずれ証明される事で、歯の噛み合わせが大きく関係している可能性もある事を知っておいて頂いて、選択肢のひとつとして、是非歯の噛み合わせを考えてみてください。

fumin3.jpg

2010.3.16

次回はセロトニンと片頭痛についてです。

投稿者:池上 孝

2010年06月07日

夜間の頻尿と噛み合わせ

眠りについてから排尿に2回以上起きる事を夜間頻尿といいます。
男女とも60才代で約40%、70代では50%以上で一晩に2回以上の夜間頻尿があります。
一般に脳下垂体から抗利尿ホルモンが多く分泌されることによって尿が濃くなり、尿量が少なくなり、夜トイレに起きないのです。正常人でも夜間目が覚めていると、濃縮作用がなくなり、腎臓で尿が作られトイレに何回も行きます。
60才以降になると、濃縮作用が弱くなり、薄い尿が多量に出ます。
また、脳に動脈硬化、前立腺炎、膀胱炎、尿道炎、脳血管障害、高血圧症、糖尿病患者では検査することが大切です。
一番の原因は水分の過激摂取なのです。
日中身体を動かし、ある程度疲れておくことも必要です。
加齢に伴い、睡眠物質のメラトニンが低下して睡眠障害の為、尿意での覚醒閾値が低下して少しの尿意で目覚めやすくなり、夜間頻尿と考えられていますが、咬合治療によりメラトニンが3倍に増量するとの報告もあり、選択肢の1つに考えてみてください。


次回は、歯科心身症と噛み合わせについてです。

投稿者:池上 孝