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歯の噛み合わせ

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2013年01月23日

噛み合わせと腰痛

腰痛が身体の不調を訴える症状の中で、一番多いと言われている。
腰が痛くて受診して、レントゲンを撮ってみても腰痛があるかどうかはレントゲンでは分からないけれども、とりあえず投薬が普通の診療の流れです。
原因の特定できない腰痛は、運動療法を中心に勧められるが、一番効果があるとも言われています。

腰痛の原因がはっきりわかるガンの転移、内臓疾患、骨や椎間板への感染などはほとんど、治療で改善されます。
又、椎間板ヘルニアや脊椎管狭窄症の症状は、お尻のあたりからふくらはぎにかけての座骨神経痛症状であって、これらも原因を除去すれば症状は改善されます。

ところが、現代医学は、腰痛であれば腰の症状のある部分のみを見ていますが、まさに「木を見て森を見ず」の状態なのです。
一歩下がって全身を見て見ると、体の前後左右への傾き、足の開き具合と脊椎や骨盤の歪みを見る事である程度の診断はつくと思います。
その腰痛が噛み合わせによる、脊椎や骨盤の歪みによるもの、かどうかを診断する為に、I-SPLINT(池上式スプリント)を用いてみて診断するのです。
すなわち、マウスピースを入れることで頭の位置が変わり、姿勢が変わり、脊椎、骨盤の歪みが是正されて、腰痛症状が緩和されれば原因は歯の噛み合わせである事が自分自身で体感して診断できるのです。
次に、その原因との関係を知る為に、そのマウスピースを外してみて腰痛症状が再現すれば、間違いなく原因は噛み合わせであることを自分自身で体感して診断すればいいのです。
その後、治療はその顎の位置で噛めるように噛み合わせを変えるのが治療なのです。

投稿者:池上 孝

2013年01月22日

噛み合わせの高さの必要性について

噛み合わせは大切であると云う事は何となく誰でも知っていますね。
では、高さがどれだけ大切だと思いますか?
その噛み合わせは高いのが良いのか、低いのが良いか。
では、どの位の高さが良いか。

自転車のサドルの高さを想像してください。
サドルが高過ぎるとどうですか?
また、低すぎるとどうですか?
考えてみてください。
高すぎても低すぎても、腰、膝、足に対して負担がかかり過ぎて良くないですね。
いい加減の高さが良いです。
歯の噛み合わせもその通りなんです。
私はその人に適した高さの目安を、o-リングテストと言う方法で求めています。

硬い歯であっても、歯も長年使うとどうでしょうか?
歯も噛むこと等で、上下の歯ですり減って歯の長さも短くなり、低くなります。
でもそれは、経年的な自然現象で、年のせいで片付けられています。
歯は短くなり、低くなると、下の顎は後ろへ引けて、上の顎、すなわち頭は前に倒れます。
そして人間は最上部に重い頭を乗せ、二本の足で立ってバランスを取ろうと背骨を曲げて猫背になっているのです。
又、顔面に目を向けて見ると、噛み合わせが低くなる事で下の顎は後方へ移動して口角部でしわをつくり、鼻唇溝も深くなり、唇は薄くなり、への字になっているのです。
これらは全て年のせい、自然現象で片付けられています。
又、姿勢の変化につれて全身的な頭痛、肩こり、腰痛、膝痛等の不定愁訴の症状も起こっているのです。
その症状に対して噛み合わせが関係しているかどうか診断する為に、I‐SPLINT(池上式スプリント)を装着する事で、顔も姿勢も若い時の様に変化して不定愁訴の改善、消失を自分自身で体感して見てください。
それが噛み合わせの高さなのです。

 


 


2013.1.22

投稿者:池上 孝

2013年01月22日

噛み合わせと頸椎症(痛み、しびれ)について

下顎の開閉運動の中心点(支点)は、顎関節ではないのです。
はさみが物を切る時の様な中心点ではありません。
顎関節は蝶つがいの様な単純な運動ではないのです。
下顎運動の開閉の中心点は環軸関節の第二頸椎(軸椎)の歯の形に似た歯突起部(写真)にあると言われています。

上下の歯で物を噛む力が約60kgで、上下歯列の間で作用すると、頭蓋は前傾して反射的に後頭筋が収縮します。
テコの原理から、後頭筋に咬合力の約3倍の力が加わります。
すなわち、頸椎には180kgの力と、咬合力の60kg、そして頭部の自重約10kgの合計250kgが垂直方向に加わっているのです。
しかも、咬合高径に左右差があれば、頸椎に及ぼす力で簡単に頭蓋の位置は変わり、傾くでしょう。
それが、頸動脈、脳底動脈の血流にも影響を及ぼします。

咬合高径の減少で、後頭筋群が収縮され頸椎は前傾し、テコの原理から頸椎に圧迫力として働き、頸椎症に関与すると考えられます。
又、咬合高径の挙上で後部径頸筋は、テコの原理で前歯部の1/3の牽引力として働き、頸椎症の症状のしびれ、痛みの緩和に関与すると考えられています。
この事から、噛み合わせ治療によって頸椎症症状の緩和、消失に関係していると考えられます。

 

 


投稿者:池上 孝

2013年01月17日

噛み合わせと脳血流とうつと認知症症状

脳が必要とする酸素やブドウ糖は心臓から血液によって血管を通って脳へ送られます。
頸動脈から左右の頸椎の中を通っている椎骨動脈は上行して軸椎と環椎の間でゆるみ、環椎と頭の間でもう一度ゆるみをもって、頭に入ります。
ここで左右の椎骨動脈は1本になって脳底動脈になり、そして脳幹部など生命や意識と関係深い部分に酸素と栄養を送っているのです。

ところが、椎骨動脈が左右の血流と同じ圧力であれば、1本になった脳底動脈にスムーズに血液が流れるが、もし左右に圧力差や血管の太さに差があると、1本になったところで渦を巻き、血管は流れにくくなり、脳底動脈血流量が減少すると考えられる。

そこで、下顎が偏位すると環椎と軸椎との間にずれが生じ、脳へ入る椎骨動脈の圧迫や牽引によって血管の狭窄が起こり、脳底動脈の血流量が減少します。
噛み合わせが悪いと、頸椎の位置にずれが生じ、椎骨の両側にある血管の太さを調節する交感神経頸神経節が機械的に刺激されて左右の交感神経の緊張に差が生じて、椎骨動脈の太さにも差が生じ、左右の血液量もそれに応じて変化し、椎骨動脈不全症が起こると頭部筋に緊張が生じ、頭痛、めまい、吐き気、平衝覚異常等の症状が起こります。

噛み合わせ治療によって、下顎を正しい位置に是正することによって、前頭眼窩皮質の血流が上昇、しかも継続して、増加する事が画像によってわかってきました。
しかも、この部分はホルモンの分泌を司る視床下部や脳下垂体の働きに関わる部分であり、前頭連合野の能力の改善、脳老化の改善、免疫系の改善に効果があり、うつ、認知症、更年期症状改善にプラスに働く可能性もある事がわかってきました。

 


投稿者:池上 孝

2013年01月16日

噛み合わせと胃症状(逆流性食道炎)

胃には3つの役割があります。
食べ物が胃に入ると、胃を大きく膨らませて貯留機能、食物に胃酸を混ぜてドロドロにする撹拌、混和機能、食物を受け入れて蠕動運動、吸収により十二指腸に送り出す排出機能など、胃袋はただの袋ではなく、「高性能な多機能」な袋なのです。

胃の不快な症状には、胸やけ、呑酸(すっぱいものが込み上げる)、胸の痛み、つっかえる感じ、嗄(せき)声(声がかすれる)、耳のあたりの痛み等があります。

症状は、胃の中の胃酸が、食道に逆流する事が原因の1つと考えられる、酸逆流症状と呼ばれています。

胃は他の消化器と異なり、壁細胞という細胞から作られた胃液は強い酸の塩酸と、ペプシンという消化酵素を主成分とし、食べ物の中の雑菌を殺菌、蛋白質を消化する役割があります。

胃壁も蛋白質で出来ているが、ペプシンで消化されないように粘膜でコーティングされています。
又、胃壁に塩酸がしみ込むのを防ぐ為に、粘液細胞が弱アルカリ性の重炭素を分泌し、粘膜層の中で中和反応が起こる防御機能があるのですが、食道にはないのです。

そこで、胃液が食道に逆流して食道内を傷つけないように、食道と胃のつなぎ目に、括約筋が常に収縮し、食べ物が通過する時、約5秒間だけ開くようになっているのです。

ところが、加齢に伴なって筋肉の収縮力が弱くなり、括約筋が開きやすくなったり、内臓脂肪が蓄積されて胃を圧迫する事により、胃酸が逆流し、長時間食道に食物が滞在すると、食道粘膜が傷つき、炎症を起こすのが、逆流性食道炎です。

胸やけ、吞酸が典型的なものです。
医科では原因は、食後、横になったり、前かがみの姿勢をとったり、お腹に力を入れた時起こりやすいと言われています。
薬物療法で対応していますが、歯科的考え方として、噛み合わせ治療により、自律神経が調整される為に、唾液の増加、前かがみ姿勢、猫背の改善により、これからの症状が緩和、消失する可能性を知っていただきたい。
選択肢の一つとして考えてみてはいかがですか?


2013.1.14

投稿者:池上 孝

2013年01月15日

かみ合わせとメラトニンによる快眠

メラトニンは脳の中心部にある松果体で2時間周期で分泌される、眠りを誘う物質です。
メラトニンは必須アミノ酸の一つである、トリプルファンからセロトニンを経て合成されます。

日中セロトニン神経を活性化すると、メラトニンの分泌が高まります。
メラトニンの原料はセロトニンで、日中作られたセロトニンが夜にメラトニンを合成します。
セロトニンを増やして活性化する為には、太陽の光を浴び、規則正しい食生活をして、リズムある歩行、リズムある咀嚼、リズムある呼吸が効果があると言われています。

メラトニンの生産は、外界からの光の刺激と中枢の内因性リズムにより調整されており、その調整を司るのが、交感神経節線維から分泌される、ノルアドレナリンです。
ノルアドレナリンの分泌は光刺激に影響を受けます。
光によって目の網膜が刺激されると、頚部交感神経が抑制され、ノルアドレナリンの分泌も抑制される為に、メラトニンの合成が減少します。
その為、メラトニンの血液濃度は光の刺激の少ない夜間に高く、昼間は低くなるのです。
明るい昼間はメラトニン値も下がって、夕方になって暗くなってくると同時に増加しはじめ、午前1時から午前2時の間に最高値達します。
だから、丑三つ時に眠っているのは意義があるのです。

したがって、メラトニンには睡眠、覚醒のリズムを調整し、睡眠の改善、体温の調整、血圧降下や脈の安定化、免疫力の増加、感情の調整など、多岐にわたる作用があるのです。
スプリントを装着する事で、口腔周囲筋の緊張が緩和され、口腔、鼻腔の容積も増加されて、交感神経の興奮を鎮静化すると、睡眠をほ促す松果体ホルモンであるメラトニンが約3倍に増加して自律神経の改善、ホルモンの分泌、免疫力も高まり、自然治癒力が強くなる重要な役割を果たしているのです。
咬合改善は快眠に繋がり、引いては健康を取り戻す重要な役割を果たしているのです。

 
 

2013.1.14

投稿者:池上 孝

2013年01月09日

舌痛症と噛み合わせ

舌痛症とは、舌が火傷した様な痛み、歯にこすれる様な「ヒリヒリ」「ピリピリ」感、しびれる様な感覚が、慢性的に何年も続き、舌、口腔内には特別な所見が認められなくても、舌の痛みを訴え、三又神経や舌咽神経など神経系にも障害が認められない場合、今までは心因性と言われてきたが、近年は中枢性疼痛と言われている。

特に女性の場合には閉経によるホルモン分泌に関係があり、口呼吸を鼻呼吸に変える事で症状を軽くする事もあるとも言われている。
これは口呼吸で扁桃から多量の細菌が白血球に抱えられて体中をめぐり、唾液腺、涙腺、皮下組織の分泌腺の細胞内感染を起こし、分泌腺が涸れる為と言われている。

歯科的には、舌痛症などの口腔内疼痛には、唾液の分泌低下による、口腔内感染が関与しており、唾液不足によって保湿性が低下するために、粘膜上皮が弱くなり、微小な傷がつきやすい状態になると考えられている。

唾液の分泌は組織保護力や創傷治療力だけでなく、咀嚼や嚥下など消化、吸収力にも影響を及ぼしている。
年をとると、唾液も涙液の機能も衰えて分泌量は減少すると言うのが一般的な考え方です。

唾液も涙液も血液成分の一部であり、腺細胞由来であり、唾液が増加すれば涙も増加する相関関係にあります。

噛み合わせ治療に用うi-SPLINT(池上式スプリント)を装着すると、下顎が良い位置に移動することで、口腔周囲筋の緊張も緩和され交感神経が調整されて、興奮が鎮静化します。
唾液、涙液が直ちに増加して、また、口腔、鼻腔の容積も増加され、鼻閉、後鼻漏、呼吸、眠瞼下垂、眼症状、消化器、呼吸器の症状緩和に繋がっているといっても過言ではありません。

色々な不定愁訴な為に、ドクターショッピングを繰り返している方は、歯の噛み合わせ治療を自分自身で体感されてはいかがでしょうか。
きっと驚く事と思いますよ。

2012.12.29
榊原病院にて

投稿者:池上 孝