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歯の噛み合わせ

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2013年11月25日

便秘

厚生労働省の調査によると、日本では女性の5%男性の25%が便秘の症状を抱え、80歳以上では男女とも1割を超える。
便秘について明確な定義はなく、大腸内の便が長時間滞留する状態で、排便回数が週2回以下の場合を便秘とみなしている。
便秘には
「便が肛門近くにまで下りてこず、排便回数が減少する」
「便が肛門近くまで下りてくるがうまく出せない」
といった2つのタイプがある。
便意がない時、肛門括約筋は締まっている。
便意を感じていきむと肛門内の筋肉や肛門の周囲を取り巻く骨盤底筋が緩み、便が排便しやすくする。
いきめばいきむほど、肛門が締まってしまい、「毎日排便をしなければ」と思いこまない事が大切です。
便意がないのにトイレに行き、無理にいきまないこと。
上半身を立てて背筋を真っ直ぐに伸ばして排便すると、骨盤底筋の緊張が解けにくくなる。
和式便器を使う姿勢を意識して、前屈みになりながら排便すると骨盤底筋を緩めやすい。

歯科的に噛み合わせ治療で便秘の症状が緩和、消失する可能性を知っていただきたい。
まだエビデンスは確立させていませんが、私の臨床で多くの改善例を見ています。
スプリント(マウスピースの様なもの)を装着する事で、口腔周囲筋の弛緩による血管や神経の開放に伴う交感神経の興奮状態の鎮静化に加え大腸の収縮運動(蠕動運動)を活発にするのです。
それに加えて内分泌的な作用機序も存在するのではないかと考えられています。
すなわち、自律神経が調整される事で唾液が増加し、胃・腸の蠕動運動が活発化する事と脳の松果体から眠りのホルモンであるメラトニン、セロトニンが3倍に増加するために、これらの諸症状の改善に繋がっていると思われます。
まずは、本当にお困りの方は選択肢の一つに考えてみてください。


2013.11.8

投稿者:池上 孝

2013年11月21日

ドライマウス、ドライアイでお困りの方~歯科からの提言~

日本人のドライマウスで悩む人は、800万人と言われていて、ドライアイも同じ800万人という報告があります。
唾液も涙液も同じ血液の成分であり、腺細胞由来なのです。
ドライマウスの軽症では、「口の中の不快感」「口の中の乾燥感」等で、重症になると「舌が痛い」「口臭がひどい」等で唾液が減少すると感染症にもなりやすく、全身疾患に結び付く病気なのです。

原因は一つではなく、複合的で、唾液腺は自律神経に支配され、ストレス等により緊張したり、不安になったりすると交感神経が優位になり、唾液は出にくくなって口が渇くのです。

又、薬の副作用による口渇も考えられます。
唾液が増加すると連動して、涙液も同様に増加するのです。
ドライアイも様々な要因により、涙液および角膜上皮の慢性疾患で不快感や見えにくさを伴います。
「パソコン」「エアコン」「コンタクトレンズ」の3つが大きな要因と言われていますが、ストレスや大気汚染、薬による副作用と多くの要因が関係していますが、加齢もリスクを高めています。

目の検診では、全体の31%がドライアイと診断されています。
男女別で見ると、女性が41%、男性22%、コンタクトレンズ使用者も41%で非使用者は21%と少ないのです。
女性に多いのは女性ホルモンと関係していると言われているます。
症状はゴロゴロする、乾く等の不快感と、かすむ、まぶしい等の見えにくさ、まばたきが思うようにできない、眼瞼けいれん、眼瞼下垂等の症状で、日常生活に様々な影響を与えています。

正常な目は十分な涙液が、角膜、結膜の粘膜を覆って目の表面を保護していて、その為に角膜の表面はなめらかで、光が目に正しく入るのでくっきりと見えているのです。
それが涙液の減少により、さまざまな症状に繋がっているのです。
私が思うに、ドライアイ、ドライマウスも同じ症状と考えます。
要するに涙と唾液が増加すれば、多くは解決する事です。
言いかえれば、唾液と涙液は自然の特効薬なのです。
私が行っている噛み合わせ治療により、早期に涙と唾液は間違い巻くなく増量している症例を多く経験しており、事実を知っているからです。
本当にドライアイ、ドライマウスでお困りの方は選択肢の一つに、歯の噛み合わせを考えてみてください。

投稿者:池上 孝

2013年11月20日

EBMとNBM

EBM(Evidence-based medicine)は、
各医師が持っている医学的知識と経験的技術に基づいたもので、経験や勘だけに頼る独りよがりな医療に陥る危険があります。
最新の臨床研究に基づいて統計学的に有効性が証明された治療を選択することで、より効果的な質の高い医療を提供する事を目的としているのです。
有効率は60%~90%で有効でない患者も40%~10%存在します。
又、根拠によるデータが十分でない疾患、治療が困難な疾患、高齢者のケア、死に至る病気、あるいは精神にかかわる病気など、EBMを適用できないものもあります。
NBM(Narrative-based Medicine)は、患者が対話を通じて語る病気になった理由や経緯、病気について今どのように考えているか等の「物語」から医師は病気の背景や人間関係を理解し、患者が捉えている問題に対して、全人的(身体的、精神的、心理的、社会的)にアプローチしていこうとする臨床手法であります。
NBMは患者との対話と信頼関係を重視し、サイエンスとして医学と人間同士の触れ合いのコンセプトを埋めることが期待されているのです。
最近では、医療機械や検査が次々と開発されて、医師も患者もそれに頼るが、患者はいきなり検査を希望して、医師は検査に異常がなければ病気と考えない。
その結果、NBMは患者の悩み、苦しみは癒されないのです。
ピアノのタッチにも似たる繊細なタッチが求められます。
知と技をいかに患者にタッチするかNBMはサイエンスとアートの両輪として密に患者の満足度の高い患者中心の医療には不可欠のものである。

投稿者:池上 孝