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歯の噛み合わせ

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2018年11月20日

噛み合わせの高さと口角炎

口角炎は上口唇と下口唇が合わさる(交わる)唇の両端の口角部に何らかの原因で炎症が起こるものです。
口角は唾液により常に湿潤な状態になっており、食べかすが溜まりやすく不潔にもなりやすく、また皮膚組織は脆弱で損傷を受けた皮膚組織に感染が生じやすいのです
口角の皮膚と粘膜の移行部が白くただれて潰瘍となり、初めは乾燥して放射線状に口角に亀裂や腫れ、出血、かさぶたが形成されるが、のちに唾液で膨化して、腫れ、潰瘍状になり、口を開くときに痛み、出血することもあります。
正常な皮膚構造の口角では、皮膚のバリア機能が作用するため、感染が起こることはまれだが、亀裂などの損傷を生じた口角は、絶好の感染場所になるのです。
口の開閉によってかさぶたが剥がれ亀裂がさらに深くなることもまれではないのです。
原因は口に常在する真菌(主にカンジダ)が皮膚を刺激してかぶれると言われています。
またビタミンB群(B2、B6)欠乏で感染に対する抵抗力が低下していて、風邪、疲れが溜まって免疫力が低下している時に細菌感染が起こるとも言われています。
また、巷では胃が悪いからと言われています。
これらはかみ合わせが低くなった結果、上口唇と下口唇の皮膚と粘膜が引っ付き合い毛細血管現象で常に唾液が溜まっている為に口唇の皮膚組織に感染が起こり発赤しているものと考えられます。
では、噛み合わせの高さ(咬合高径)はどの位が良いのか?
自転車のサドルの高さを想像してみてください。
高さによって股関節、膝関節、足の筋力はどうなるかを考えてみてください。高すぎるとどうですか?
また、低すぎるとどうですか?良い加減がいいのです。
私はその高さを決める為にО-リングテストを応用して、その人の不快症状に対する高さを決めてスプリントを作り、微調整を繰り返し、身体の症状の変化を聞きながら診断をして高さを最終決定しているのです。
それでも、その高さで症状の変化が認められなければ再度О-リングで高くするか低くするかを暗中模索で手探りで決定しているのです。
それでも変化が認められなければ、噛み合わせとの関係はないと考えているのです。


投稿者:池上 孝

2018年11月14日

顎関節は巨大ポンプ

心臓の働きは新しい栄養豊富な血液を全身の組織に送り出し、その結果発生した痛みの物質を含む老廃物の血液を送り戻しているのです。
それを助けているのが、①心臓②第二の心臓と言われている横隔膜です。
③第三の心臓と言われているのは顎関節です。
こめかみから側頭部に沿った部分に海綿静脈洞(スポンジのたわしみたいな組織)には、頭の内外の静脈(使用済みの痛みの物質を含む血液が流れる血管)が全て集まり、そこから下顎の関節部分には草むら状態の静脈が集まっている翼突神経叢があります。
翼突神経叢では、咬筋を中心とした周りの筋肉に草むらの様に血管がはり巡っています。
物を咬むと咬筋やその周りの筋肉が動くため、それらの血管は圧迫されるが元に戻そうとする力が働くため、海綿静脈洞にたまった血液を頭から心臓に送り返すポンプの働きが生まれます。
つまり咬むということは、頭の中の使用済みの血液を心臓に送るのだから、ポンプはポンプでも心臓とは反対の働きをしているのです。
また、心臓と横隔膜、顎関節を手助けしているのが、④第四の心臓と言われている下肢であり⑤第五の心臓は上肢なのです。
胸部の心臓以外の全てが頭、頚、肩と身体の要所要所で、咬むことで頭の血液をバックさせる中枢的な役割を果たしているのです。
そこで③第三の心臓である、顎関節部を中心とした部分の動きが悪ければ、頭部の血液、痛みの物質の流れが滞った結果として、頭・頚・肩痛を訴えているのです。
噛み合わせを改善する事で下顎の運動も大きくなり血管は引っ張られ圧迫される事で血流が良くなり、痛みの物質を送り出すポンプの役割を果たす為、症状の改善にも繋がっている可能性があります。
まさに噛み合わせは巨大ポンプなのです。

投稿者:池上 孝

2018年11月13日

歯科心身症と身体の不調と噛み合わせ

口の中に違和感、冷水、温水痛があり、原因不明で、仮歯にした時は良かったと思ったが次第に痛くなり、苦しくなって我慢できなくなり、外してほしいと感じ、歯や口腔に異常もないのに舌がヒリヒリして痛みが強く食事もできない。
フロスや歯間ブラシをしても口臭が気になる。
歯を治療してから悪くなったから、治療をやり治せば良くなると思う。
治療したらかえって悪くなった。この様な経験をお持ちの方もおられるかと思います。
症状も改善しないのでドクターショッピングを繰り返しても診断もつかず、症状が執拗に続く。
しかも歯や口腔粘膜に異常もなく、あったとしてもそれが治っている状態であれば原因ではない可能性があります。
歯科的にはこの様な状態であれば、顎関節症、口腔異常症、非特定型顔面痛、歯科恐怖症、口臭(恐怖)症、など、歯科(口腔)心身症と分類されているのです。

その原因は2つ考えられています。
1つは癌ではないか、服用薬が原因、あの治療が間違い、この歯を削ったら良くなるはず等、本人の思い込みで間違った関連付けからくるもので、カウンセリング(心理療法)が必要と言われています。
2つ目は三叉神経からの信号が脳に伝わる過程で異常信号を発する事で疼痛、違和感、咬合異常感、顎関節症等症状を有するもので末梢性神経障害性疼痛と呼ばれ、薬物療法が有効と言われています。
またこれらの症状があっても精神的医学的なうつ病とは異なる事が多いそうです。
治療法は薬物療法として抗うつ剤が有効であると言われています。

歯科的治療法として考えられるのは「噛み合わせ」
原因不明で不調を感じる以前に歯科治療を受け、それ以後に症状が現れたのであれば、間違いなく「歯の噛み合せ」に原因があると考えられます。
また、以前に矯正治療を受けた人、噛み合せが低い人、出っ歯傾向の人、下顎の方が前に出ている人、子供の時歯を抜いて後ろの歯が前に傾いてきている人、八重歯の人、乱杭歯の人、明らかに下顎がどちらかに偏っている人、身体が歪んでどちらかに傾いている人、この様な人々は歯の噛み合せが関与している可能性は大いにある事を知っていただきたいと思います。
今一度自分の口、身体に目を向けてみてはいかがですか。

投稿者:池上 孝