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歯の噛み合わせ

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2021年01月08日

第22回岡山健康と咬合を考える会


2021年2月6日(土)
13:30~15:30(開場13:00)
参加費:500円
定員:15名
場所:池上歯科医院内 健生茶屋

是非お越しください。

投稿者:池上 孝

2021年01月08日

誤嚥とロコモティブシンドロームは噛み合わせから

加齢によって起こる身体機能の低下、更に精神的・身体的・社会的な問題から、心身の機能が老い、衰え、気持ちも落ち込みます。
その為、うつ病を招き、人と話す機会も失い、認知機能の低下が起こり、要介護状態に陥る一歩手前、この状態をフレイルといいます。

健康と病気の中間的な段階で「老人症候群」とも言われています。

人間誰でも、年齢を重ねることで30才代から年間1~2%ずつ筋肉量は減少し、80才頃までには約30%の筋肉量が失われます。
それに伴ってもちろん筋肉力も落ち、更に骨も脆くなっていく事は避けては通れないのです。
また、痩せている人は筋肉力が弱くなっている可能性が強く、太っている人は腰や関節に負担がかかっている恐れがあります。

加齢に伴い骨格筋肉量と筋肉力が弱くなっている状態を「サルコペニア」といいます。
特に足の筋肉量が減少してサルコペニアになるとロコモティブシンドローム(運動器症候群)にも繋がり寝たきりになる可能性があります。

寝たきりになる原因の多くは運動器の病気です。
運動器とは、身体を動かす部位の事で、骨、関節、筋肉、神経などを言います。
ロコモティブシンドローム(略してロコモ)は、骨・関節・筋肉・軟骨・椎間板といった運動器の障害から、運動機能が低下し、立つ・座る・歩くことに障害が起こる状態です。
運動器の疾患は主に、関節疾患、病気や骨折、転倒などの怪我で寝たきりになり、要介護や要支援の原因にもなります。
ロコモは高齢になるほど増え、50歳代以上の7割の人がロコモの恐れがあると言われています。まさにそれがフレイルなのです。
ロコモに関係する病気は、変形性膝関節症、腰部脊椎狭窄症、骨粗鬆症などがあります。
「腰や膝が痛い」「関節が動きにくい」「手足がしびれる」「転びやすい」と言った症状があれば、多くは年のせいで片付けられますが、ロコモのおそれがあるのです。

人間を長い間続けるほど、「フレイル」は誰でも起こるものです。
私が思うのに、フレイルの起源は、オーラルフレイルから始まるという事を知っていただきたいのです。
良く噛めることは栄養摂取が可能になる事で、筋肉量が増え筋肉力がつき、動きもスムーズになり、自然に運動量も増えます。
その結果、やる気も取り戻し社会参加にも繋がるのです。

噛むということは、上顎と下顎間に物を介在させ強い咬合力を加えて噛み砕く事なのです。
その咬合力を負担するのが、歯であるか義歯であるかによって大きく変わります。
自分の歯であれば咬合力は直接歯の歯根膜(繊維)を介して骨に伝えられるのです。
しかし義歯の場合は歯肉を介して骨に伝わるのです。それは丁度布団の上に乗っている状態で咬合力は大きく低下します。
強い力で噛みたくても、自分の歯と義歯ではその様に大きく異なります。
強く噛み砕くという事は牛が物を噛んでいる姿を想像してみてください。
右で噛む時は下の顎を大きく開き、上顎と下顎の間に物を介在させ右側に円を描くようにサークル状に石臼の様に噛み砕いているのです。
だから臼歯という名がついているのです。
最大の咬合力を発揮して物を噛むことは、口の周囲の筋肉はもちろん、呼吸、嚥下に関係する筋肉量、筋肉力が増加して、サルコペニア、ひいてはオーラルフレイルの予防になり、むせや誤嚥の予防にも繋がります。

誰でも年と共に、歯を失ったり、すり減って短くなり、噛み合わせも低くなり咀嚼能力が低下してオーラルフレイルになるのです。
噛み合わせが低いという事は・・・想像してみてください。
自転車のサドルが低ければどうでしょうか?
又、高すぎるとどうでしょう?低すぎても高すぎても悪いのです。またその高低にも許容範囲があり、その人に丁度良い高さが最大限の力を発揮できるのです。
その高さを追求するのが噛み合わせなのです。

歯も年齢を重ねる事で失ったり、噛むことですり減る為に、短くなり、噛み合わせは低く低くなります。
その結果、下顎は後ろへ下がり、頭は前へ傾きます。
そして二足歩行でバランスをとる為に背骨を曲げて猫背になっているのです。
前傾姿勢で重心は足底の前方に位置し、その為、歩幅が小さくチョコチョコ歩きで速度も遅いのです。
また、腰、膝の左右どちらか一方に過重な負担がかかり、腰や膝に不調が起こり、手足がしびれる、関節が動きにくい、転びやすい、などのロコモの症状で、バランスが悪く、ちょっとした物につまずき転倒して骨折、入院、認知症、介護に繋がるのです。

骨折すると、外出頻度が減り、社会との接点も減り、認知症になる可能性もあるのです。
一方、噛めなくて食べられないとオーラルフレイルになり、咀嚼に必要な筋肉量も減り筋力も弱まる為に、軟らかい物、食べやすい物ばかり食べる様になます。
その為に口の周囲の筋肉量の減少が筋肉力の低下に繋がり、飲み込む力が弱くなり食事が喉に詰まりやすく、お茶や汁物でも咽やすくなり、食べられなくなり、嚥下困難から誤嚥から肺炎に繋がります。

噛み合わせ治療で特筆する事は、自律神経が調整され副交感神経が優位に働き、涙液、唾液が増加するという事です。
それが誤嚥の予防に繋がるのです。
噛み合わせは誤嚥、ロコモに大きく関係しているのです。

低くなった噛み合わせを元の高さに再現するのが噛み合わせ治療なのです。
噛み合わせ治療により顔貌も若々しく、姿勢も是正されて運動が出来る事と噛める事により、骨に力が加わり、骨粗鬆症、介護・認知症の予防、ひいては健康寿命に繋がるのです。

予防法
動きにぎこちなさを感じ始めると、運動量は減少しがちになります。
運動量が減ると、食欲が落ち、栄養不足から筋肉量、筋肉力が低下してますます運動しなくなってしまいます。
そんな悪循環に陥らないために、運動量を減少させない生活、適度な運動で骨に刺激、圧力を加え、適切な栄養を口から摂取する事です。

フレイル予防は、良く噛むこと(オーラルフレイル)で栄養が取れてサルコペニアの予防になります。
そして筋肉を作る事で体幹がしっかりし、良い姿勢が保たれ、運動が出来て、ロコモ予防にもなるのです。
その結果、社会参加への気力、体力(充実)が得られ、心身にも余裕を持つ事が出来て健康寿命に繋がるのではないでしょうか。
フレイルは全てオーラルフレイル(噛むこと)から始まるのです。
最終的には手術による人工関節も視野に入れなければなりませんが、メスを入れる前に「噛み合わせ治療」を考えてみてはいかがでしょうか。



投稿者:池上 孝

2021年01月08日

噛み合わせと姿勢と健康長寿について

噛み合わせは姿勢と密接に関係して、姿勢を維持する体幹を正す役割を持っているのです。
噛み合わせが悪いと姿勢のバランスを保つ事が出来ません。
歯も年齢を重ねる事で失ったり、すり減り、短くなって、噛み合わせは低く低くなります。
その結果下顎は後退し、頭は前に傾き、バランスをとる為に背骨を曲げて猫背になっているのです。
猫背の人の足の底の重心は前方に位置し、チョコチョコ歩きで歩幅は小さくなります。
その為、腰・膝に過重な負担がかかり、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)に繋がります。
また、身体のバランスも悪く一寸したものにつまづきやすく、転倒、骨折、認知症、やがて介護へと繋がる可能性があります。
一方、噛み合わせが低くなると顔貌もいかにも老人様顔貌になり、口唇は薄くへの字になり、「チンクシャおじさん顔」になり姿勢も猫背になっている事に気付いていただきたいのです。
低くなった噛み合わせをその人に丁度良い元の高さに再現するのが噛み合わせ治療なのです。
「噛み合わせ」が低いという事は、自転車のサドルを想像してみてください。
サドルが低いとどうなりますか?
また、高いとどうなりますか?
高くても低くても最大の咬合力は発揮できません。
しかも高低にも許容範囲があるのです。
良い噛み合わせとは、牛が物を噛んでいる姿を想像していただくと分かるように、右で噛む時は下の顎が右下へ大きく開き、上下の顎に物を介在させて円を描くようにして石臼の様に噛み砕いているのです。
物が良く噛める事は栄養の摂取に繋がり、呼吸、嚥下に関係する筋肉量、筋肉力の増加にも繋がります。
また、顔貌も若々しく、姿勢も是正されて、運動量も増え、骨に力が加わる事で、骨粗鬆症、ひいては介護、認知症の予防に繋がり、それが健康長寿にも関係している事を知って頂きたいです。

投稿者:池上 孝