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歯の噛み合わせ

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2020年06月16日

のどの詰りと窒息死と噛み合わせ

厚生労働省の調査によると2016年には65歳以上の4300人が、食べ物をのどに詰まらせて窒息死しています。
同年交通事故で亡くなった高齢者は約3000人で、人口10万人当たりの食事中の窒息死者数は、50代後半では1.4%、60代後半で3.2%と、65歳以降から徐々に増え始めています。
80代前半で16.7%、後半で32.4%、80代から高齢化するにつれて急増しています。

人間誰しも年齢を重ねる事で、30代から年間1~2%ずつ筋肉は減少し80代までに約30%の筋肉は失われると言われています。
更に骨も脆くなっていくことは避けて通れないのです。

筋肉の減少に伴い、加齢と共にのどの機能も衰え、飲み込む力も弱まり、ものがうまく胃に運ばれず死んでしまう事もあるのです。
窒息死は、死に至る時間こそ短いが、もがき苦しみ、酸欠から意識朦朧となり力尽きて息絶えるのです。
窒息すると頭や顔に流れた血液が心臓に戻って来なくなり、脳に酸素が届かなくなります。
一般に脳への酸素供給が10秒間途絶えるだけで意識を失い、4分間続けば死を迎えると言われています。
まるで水中で溺れているように、いくらもがいても呼吸は楽にならなく、運よく一命を取り留めても、脳がダメージを負って意識が戻らず寝たきりになったり、脳死状態になって数日後に亡くなるケースがほとんどです。

Ⅰ.食べ物
○おにぎりと脂
お米は握ると粘り気が増して、粒同士がくっつき、のどの粘膜にも張り付きやすくなり、一度くっつくと剥がれにくくなり、窒息の原因となりやすいのです。
パラパラの炒飯よりぎゅっと握ったご飯の方が詰まりやすいのです。
○パンは口で咀嚼され、唾液が含まれるとくっつきやすくなり、餅のように窒息しやすい食べ物に変化するのです。
○白滝、糸こんにゃく、素麺の麺状で長い物は喉の奥に詰まりやすいのです。
○葉物野菜、わかめ等の海藻は粘膜に張り付きやすく、剥がれずに苦しみ窒息するリスクがあります。
健康な人ならドロドロしたものが間違って気道に入っても、咳き込んで吐き出せるので窒息することはないですが、高齢者は喉の機能や肺活量が衰えている為に気道に入ると、窒息の原因となるのです。
窒息時間と死亡率は、異物を5分以内に除去できれば94%は助かりますが、6~10分かかると42%が死亡するか意識が戻らない状態になります。
救助法は、背中を叩いたり腹部を突き上げてもダメなら掃除機によって吸引すると7割が助かったとの報告もあります。

Ⅱ「薬」での呼吸困難

高血圧治療で、脳梗塞、心筋梗塞などを予防するために、毎日何種類もの薬を飲めば、血圧は下がり、病気の予防に繋がるかもしれませんが、その薬のせいで、喉に詰まり呼吸困難に陥る危険性もあります。
こうしたリスクのある薬は3種類あります。

①「唾液」の分泌を妨げる薬
咀嚼して物を飲み込むために唾液は欠かせないものです。
唾液が出ていると無意識のうちに食べ物を舌の上でボール状の塊にして飲み込んだ時に、喉に引っ掛かる事なく少しずつ通るのです。
口に湿り気もなく水分がないと塊は作れないので喉の奥に食べ物がくっつきやすくなり、食道に入らなくなり、気道の入り口を塞いで呼吸が出来なくなります。
唾液の分泌を妨げる薬の、頻尿薬である抗コリのアセチルコリンという物質は、尿を出す働きと同時に唾液も出しているのです。
片方を抑え込むともう一方もセーブされているのです。
花粉症薬も年を重ねると皮膚が乾燥してかゆみを訴える人にかゆみ止めとして、抗ヒスタミン薬が処方されます。
更に、睡眠薬も長期間毎日飲み続けることで口が渇いてくるのです。
唾液は加齢と共に出にくくなり、昔に比べて物が飲み込みにくくなるのは「老化のせい」と思い込んでいますが、薬の副作用も考えられます。
本来なら75歳位までは唾液は十分に分泌され、飲み込みにくさを感じることは少ないのです。

②「飲み込みに関わる筋肉」を衰えさせる薬
カルシウム拮抗薬の降圧剤。
骨や歯の主成分であるカルシウムは、筋肉を縮める役割をもっていて、カルシウム拮抗薬は血管の筋肉が縮まるのを抑える事で血管を広げて血圧を下げているのです。
この薬は喉を動かす筋肉の働きも制御して、副作用で物がうまく飲み込めなくなる人もいます。薬で食事中に事故を起こすより、血圧が高めの方が健康リスクは小さいかもしれません。
睡眠薬は筋肉の緊張をほぐす事でリラックスさせて眠りへ導くのです。
その為薬が効いている時に喉の周りの筋肉も弛緩しやすくなり、唾液の分泌を抑えるだけでなく、飲み込む力も弱っているのです。

③「脳の働き」を低下させる抗うつ薬
物を飲み込む時、喉の神経反射が反応して窒息せずに食事が出来ています。
抗うつ薬の効き目がまだ残っていて、脳の働きが半ば眠ったままの状態で食事をすると、喉の神経反射も寝ぼけている為、誤って息を詰まらせる危険性もあります。

薬も高齢になると、飲み込みにくくなり、薬のカプセルやオブラート使用時、唾液で表面が少し濡れていると、かえってくっつきやすいことがあり、喉に張り付いて呼吸困難に陥る可能性がありますが、予防法は水にしっかりつけて表面にぬめりを出して飲むことです。

Ⅲ「タンが絡む」ことから窒息死

慢性閉塞性肺疾患(COPD)
喫煙者の2%が発症し、年間19000人が亡くなっています。
気道は、クリーナー、加湿の働きを持ち、空気の通り道です。
これらの働きによって気道内感染を予防するほか、無菌状態に保ち、痰が溜まるのを防いでくれます。
痰は肺の中の分泌物や、肺に入った空気中の浮遊物が粘液と混ざったものです。
COPDの人は慢性的に気道に炎症が起きていて、タンを外に出す力も弱くなり、喉の奥に溜まりやすく、詰まるリスクは高いのです。
気道は乾燥するとウイルスや細菌に感染しやすくなるため、いつでも濡れた状態を保つために常に分泌液を出していて、そこに異物が入ると分泌量が増えて、外敵をくるんで外に押し出しやすくして気道や肺を守っているのです。
気道の表面では線毛という細かい毛が喉に向かって動いていて、敵を封じ込めた分泌物は線毛によって運ばれ、のどへ押し出されて「タン」となり、そして咳き込むことで口から外へ吐き出されるのです。
COPDの人が風邪やインフルエンザにかかると、気道や肺の機能が低下し、悪化の一途を辿りがちなのです。
加齢と共に喉の機能や反射機能と速度が衰え気道にタンが溜まっていてもそれに気づかず咳をしなかったり、咳をしても筋力が足りず出し切れないこともあるのです。
自分の力でタンを吐き出せなくなると、窒息死するのを待つか、タンを吸入してもらうかです。しかも吸われる人にとってはまさに生き地獄です。
「タンが絡む」から始まる窒息死は痛くてつらいものです。

Ⅳ誤嚥の繰り返しで肺炎 「自分の唾液で」のどが詰まる

2017年誤嚥性肺炎で亡くなった人は約36,000人です。
食べ物をのどに詰まらせるなど明らかな誤嚥で窒息した人の約8倍もの人が誤嚥性肺炎で命を奪われています。
嚥下機能は寝ている間も働いていて、唾液を飲み込んでいます。
高齢者はのどの嚥下する筋力が衰えて、寝ている間にも知らず知らずに唾液を誤嚥して肺炎を引き起こしていることが多いのです。
しかも不眠の為にのむ睡眠薬の中には、飲み込む筋肉を縮める力が弱まり、寝ている間にいつの間にか誤嚥し肺炎を起こすケースが多いのです。
物を食べている時は、通常、喉頭蓋と言われる部分が気管に食べ物が入らない様に蓋をしています。

起きている時は気管に唾液や食べかすが入ると自然とむせて咳き込んで誤嚥を防いでいますが、寝ていると間はその蓋が機能しないことがあります。
口の中には歯垢1㎎に1億以上の細菌がいて、その中には肺炎を起こす細菌もおり、特に口を開けて寝ていると乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり、肛門と同じかそれ以上に汚いと言われる唾液が気管を通って肺に留まり肺炎を引き起こします。

高齢者の誤嚥性肺炎は自覚症状が少なく、若い人であれば高熱が出ますが、せいぜい微熱程度で発見が遅れて悪化しやすく、見つかった時には手遅れというケースが多いのです。
唾液が原因で肺炎になり、最後まで自分の唾液に苦しめられる、そんな最期は迎えたくないですね。
予防法として、噛み合わせ治療と噛み合わせ治療の出来ている義歯を睡眠時必ず装着する事です。

Ⅴ「花粉症」などのアレルギーで気管がつまる

一般に人は年を取ると花粉症などのアレルギーは軽くなると言われています。
花粉などの異物が体内に入ってきた時に、身体の免疫が作用して炎症を起こしていたのが、加齢と共に免疫システムも弱体化して花粉など異物に対しても過激な反応しにくくなり、アレルギー反応も治まってくるのです。
花粉症が進行すると、目や鼻のみならず、気管支までアレルギーが拡大し喘息になる人も多いのです。
アレルギー反応を起こす物質もあり、アレルギーが出る時に風邪などでウイルスに感染するといつも以上に気管が収縮して息苦しさを増すこともあり、またエビ、サバ、蕎麦等の食物アレルギーも出ると窒息に至る事もあります。
食物アレルギーで恐ろしいのは、喉頭浮腫といって喉の奥が腫れて空気の通り道を塞がれる、突然重症化するアナフィラキシーショックで気管がつまったら・・・。

花粉症で、鼻水、鼻づまりによって鼻呼吸がし辛くなり、口呼吸する事が多くなると、口の中が乾燥しやすくなり症状は悪化します。
花粉症の薬の中には副作用として、唾液の分泌を抑えるものがあります。

Ⅵ「むせる」

飲み込む力が衰え、ものを食べている時や水、お茶を飲む時に、むせる事が増えるのは、のどの機能が衰えていて窒息のリスクも上がります。

むせ込みは、誤嚥を防止する為の防御反応の事です。
つまり、気道に入った食べ物を咳をする事により、気管の外に出そうとする反応の事です。
それを含嗽反射(がんそうはんしゃ)と言います。
誤嚥に対する含嗽反射が低下すると誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるのです。

むせる理由は3つ
1つ目は、気道の蓋の閉まりが悪い事。
人間の喉は、食べ物と空気を一緒に運び、途中で食べ物は食道へ、空気は気管へと運ばれます。
その振り分けを行っているのが喉仏の辺りにある喉頭蓋で、食べ物が喉に入ると、喉仏があがってこの蓋が倒れて気道の入り口を閉じる為、きちんと食道へ入っていくのです。
男女とも40代位から喉仏の位置が下がり始め(これは咬合高径の低下によるもの)、年齢を経るにつれてますます喉仏が上りにくくなると喉頭蓋が倒れにくくなり、気道の入り口が閉まりきらず隙間があるから物が詰まるのです。

2つ目は気道の蓋を締めるスピードが遅い事。
のどは通過していくものが食べ物か空気かを瞬時に判断し、蓋を動かすが、年と共に反射速度が落ちて、気道を閉じるのが遅れれば食べ物を誤嚥してむせるリスクは高まるのです。

3つ目は「脱水症状」に陥っている。
口やのどが充分湿っていないから飲み込んだものがバサついていて食道へと進まず、喉に張り付いて咳き込んでしまうのです。
むせるのは飲み込む力が衰えていて、誤って気管に入りかけた異物を吐き出そうとする自己防衛反応の現れです。
飲み込む力を改善するには、人と喋ったり、カラオケをして喉の筋肉をしっかり使う事が有効で、又、誤嚥しない様にと軟らかい物ばかり食べていると、かえって顎の力が弱くなり嚥下機能はますます衰えていきます。
歯ごたえのある物をいつもの倍以上しっかり噛めば喉の力も強くなり、のどを詰まらせるリスクは低くなります。

のどを詰まらせて窒息死 週刊現代より引用

Ⅶ 誤嚥予防法

正常な嚥下は、口唇閉鎖、鼻腔咽頭腔、気管(喉頭蓋)が閉鎖され、舌、下顎骨、舌骨、喉頭が挙上し、舌、下顎骨、舌骨が固定されて食道の開大が起こり、食物移動(嚥下)が起こるのですが、どこが欠けても誤嚥は起こるのです。
すなわち嚥下機能を最も保持しているのは咬合なのです。
言い換えれば咬合低下は誤嚥を生じる要因です。
咬合低下に対して、咬合挙上する事で、口内の面積が拡大する為に舌の可動域の拡大が起こり、気管に物が入らないように蓋をするスピード機能も回復します。
また、自律神経が瞬時に調整される結果、唾液が増加し口内、気道の潤いにより嚥下機能がスムーズになります。
固い物を咬む事で嚥下機能、肺機能の回復する事も可能なのです。

人間を長い間続ければ続けるほど、フレイルは誰でも起こるのです。
そのフレイルの元の元は、オーラルフレイルから始まる事を知って頂きたい。
噛むことで栄養が行き届き、筋力も付き、働きもスムーズになり、社会活動に繋がるのです。
経年的になぜ顔も姿勢も老人様になっていくのでしょうか?
そして、動作が鈍くなり、あっちこっちが痛い、歩きが不自由になるのでしょうか?
そして病院での診断の結果、「異常ナシ」で「年のせい」で片付けられて諦めていませんか?
でも考えてみてください。
精密機械でも長年使用すると金属もすり減ってくるでしょう。でも代わりの部品があります。
人間を長い間していると、歯も骨もすり減って短く低くなり、その結果、身長も低くなり猫背になっているのです。
噛み合わせ治療が部品に当たるのです。
人間は二足歩行で最上部に頭があり、頭の位置が姿勢を決めているのです。
その頭の位置を決めるのが歯の噛み合わせなのです。
年と共に噛み合わせは低く、噛みにくくなっているのです。
入れ歯が痛い・咬めない・外れやすい、だから夜間を含めほとんど外しているのです。
一時的に噛み合わせを高くするとどうなるか体験してみてください。
割箸を5~6cm、両小臼歯で5~10分咬んでみてください。
そして口の中の変化(唾液の増加)、目の変化、鼻の変化、立ち上がり、歩き、目線の違いを比較してみてください。
それが歯の噛み合わせなのです。


投稿者:池上 孝

2020年06月16日

生活習慣病・薬漬けの副作用と噛み合わせ

薬を飲むと病気の原因の部分だけの効果でなく、全身に効果は行き渡ります。
その為全ての薬には主作用と副作用があります。
病気を治したり、症状を軽くするのが主作用で、本来の目的以外の部分への負の効果が副作用です。

高血圧や糖尿病、高脂血症や脳卒中の生活習慣病の75歳以上の64%が5種類以上の薬を毎日飲み続けていて多剤服用に対する副作用について。

①睡眠薬と抗うつ剤
患者全体の28.8%が不眠で睡眠薬を服用しています。
ただでさえ飲みすぎると集中力低下の副作用が現れるのです。
睡眠薬を飲み始めた当初は、すぐ効果が現れますが、1ヶ月もすれば効かなくなり、増量してもすぐ身体が慣れてしまいます。
しかも不眠のストレスから無気力で、ふさぎがちになり、食欲も低下してうつ症状を発症します。
抗うつ剤との飲み合わせで「過鎮静」の症状が現れて、脳が正常に機能しなくなり、歩行困難から寝たきり生活になる可能性もあります。
②降圧剤と糖尿病薬
高血圧を改善する降圧剤に「β遮断薬」の血糖値の上昇を抑える薬を併用すると、薬が効きすぎて低血糖に陥り昏睡状態になり最悪、死に至る事もあります。
③利尿剤と尿酸値低下剤
利尿剤は高血圧を緩和する為の降圧剤として使われていますが、心筋梗塞などの心疾患の再発予防にも用いられていて、利尿剤を飲むことで体内に溜まっている水分やナトリウムは体外に排出され、心臓の負担は軽減されますが「サイアザイド系」の利尿剤を飲むと副作用で尿酸値が上昇して、それを抑える為に尿酸値低下薬が処方されています。


利尿剤と尿酸値低下薬は、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心不全を誘発する危険性があります。
心臓病治療の為、利尿剤を飲み始めたばかりに、尿酸値低下薬を飲まなければいけなくなり、その結果新たな心臓病にリスクを抱えてしまう事もあります。
この様に、ある病気を治すために処方した薬によって副作用が起きているのです。

④胃薬と鎮痛剤
年齢を重ねると腰、膝などの関節痛の為に鎮痛薬を処方されますが、胃が荒れて胃潰瘍の原因になりその症状を和らげる為に胃酸分泌抑制剤が処方され、長期間服用すると、大腸粘膜に炎症が起こり下痢が起こる可能性があります。
⑤認知症薬と精神安定剤
認知症薬は短期記憶の低下を抑える目的で処方されます。
精神安定剤は周囲の人に対して攻撃的になったり、夜間イライラして暴れる様な症状を抑える為に処方されるもので、ボーっとして、うつらうつらしながら、椅子に座っているのは、複数の薬による過鎮静の1つとも考えられます。
生活習慣病を治すために飲んでいたはずの薬が新たな投薬を呼び込み、気付けば完全に薬漬けになっている可能性もあります。

医師、薬剤師に相談してみてください。

私の考える噛み合わせと減薬

噛み合わせ治療による症状変化
①自律神経が調整される事で、ドライアイ・ドライノーズ・ドライマウス・睡眠の質・精神の安定・胃弱症状・便通症状の改善が認められる。
②姿勢の歪みの是正による頭・首・肩・腰・膝痛の改善
③血流の改善による、しびれ・マヒ感の改善

上記症状に対する症状改善を双方で確認後、減薬する事は可能です。

投稿者:池上 孝

2020年03月16日

オーラルフレイルと介護、認知症の予防について

フレイルとは、健康と要介護の中間の状態を言います。
オーラルフレイルとは、噛めない、食べこぼし、滑舌が悪い、ちょっとの事でむせたり、口が乾く等の些細な口の機能の低下した状態を言います。

オーラルフレイルはフレイルの原点です。
高齢者で入れ歯・ブリッジ・インプラント等で満足できていますか?
痛い・咬めない・外れやすい・しっくりこない人は多くて、原因不明で身体に不調を訴えて医者回りを繰り返し、薬物療法や東洋医学療法、漢方薬やサプリメントに頼っている人も多いと思いますが、それで満足できていますか?
ほとんどの人は「年のせい」と諦めていませんか?
機械でも長年使い続けるとどうなりますか?
金属はすり減って、金属疲労も起こしますが、機械は部品交換で改善します。
しかし人間には部品がありません。
歯も短くなり骨も関節もすり減って身体も縮んで噛み合わせも低く低くなり、頭は傾き、姿勢も身体の歪みにより猫背となり、腰、膝の左右に大きな負担がかかり、左右のバランスが狂い、足も引きずり痛みとなっている可能性があるのです。
また、顔の長さも縮み、口角は下がり、口唇は薄くなって、ほうれい線ができ、いわゆる老人の顔になっているのです。
手術でメスを入れる前に噛み合わせを考えてみませんか。
メスを入れるのはその後でも良いのではないでしょうか?
噛み合わせ不良で目の奥の前頭葉眼窩皮質部の血流の低下が、うつ、認知症やパーキンソン病に関与していると言われています。
その原因は入れ歯、ブリッジ、インプラント等の高さに関係が深いのです。
そこに歯の「噛み合わせ」が関係しているのです。

投稿者:池上 孝

2020年01月14日

胃切除症候群と噛み合わせ

胃を切除する事は胃の機能を失う事です。
胃は食べ物を一時的にためておいたりタンパク質や脂肪分解、消化、吸収の役割をします。
胃の噴門部を切除すると食べ物が食道に逆流しやすくなり、逆流性食道炎になりやすいのです。
また、食べ物をためておく機能も失われ、小腸に一度に流れる為に「ダンピング症候群」を起こします。
早期ダンピング症候群の症状は、食後5分~30分に冷や汗、動悸、めまい、しびれ、だるさ等を訴え、全身症状は、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、腹部膨満などの腹部症状を起こします。
食後2~3時間で頭痛、倦怠感、発汗、めまい、脈・呼吸が早くなります。
原因は食べ物が胃内にためられることなく短時間で小腸に流れ込む為に起こります。
対処法は、高タンパク質、低脂肪、低炭水化物の食事に気を付け、一度にたくさん食べず、少しずつ回数を多くして、よく噛み、唾液と混ぜ合わせて口の中でお粥状態にしてから飲み込む事です。
噴門部を切除すると、食べ物や腸液が食道に逆流して、逆流性食道炎が起こり、強い胸やけが起こりやすいのです。

●早期ダンピング症候群 対処法
無理をせず横になって休む事です。
食べ物が急激に運ばれ、腸の動き(蠕動運動)が激しくなり、腸から血管に作用する物質が分泌されて全身の血管に広がる為に、冷や汗やめまいの症状があらわれます。

●晩期ダンピング症候群 対処法
炭水化物が小腸に急速に流れ込み、炭水化物に含まれる糖質が急激に血液の中に吸収されて、一時的に高血糖になり、糖を処理するインスリンと糖吸収が終わっても分泌され、そのため低血糖になるので糖分を補給する事です。

●早期晩期のダンピング症候群の予防するために
食事はゆっくり、よく噛んで食べ、腹八分目にします。
症状が起きそうだと感じたらすぐに飴をなめることが予防に繋がります。

Ⅰ.胃切除術後に起こる症状
①「下痢」
胃切除後1~2カ月で起こりやすく、約10%にみられる。
食物が一度に小腸に流れ込む事で神経反射が起こったり、腸の蠕動運動が過激になって起こります。
タンパク質や脂肪の吸収が低下し、便は少し軟らかめで、90%くらい下痢や便秘がみられます。
胃腸の手術後には、腸閉鎖(イレウス)が起こりやすく、3日くらい便秘が続いたら気を付ける事です。

②「げっぷ、おなら」
げっぷは胃が小さくなったことによるもので、おならは食事や会話時、無意識に空気を飲み込むことによって起こります。

③「貧血」
胃切除後30%胃全摘70%みられるものです。
鉄分の吸収力低下、ビタミンB12吸収力低下によるものです。

④「栄養障害」
白っぽい便「脂肪便」が出て、身体のタンパク質が減ってむくみ(低タンパク血症)体重減少、貧血など栄養不足の症状がみられます。

⑤牛乳不耐症(乳糖不耐症)
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、腹痛や下痢は10~15%みられます。
原因はタンパク質の分解、吸収力低下、腸内細菌のバランスが崩れることが原因です。

⑥逆流性食道炎
噴門部を失ったことにより、食べものが逆流しやすくなります。
予防はすぐに横にならない事で、夕食は就寝約3時間前までにすませる事です。

⑦逆流性胃炎
胆汁などの消化液が胃に逆流する事で起こり、胃酸が減っ為に胃内の細菌が増殖する事が原因です。

Ⅱ.術後何年経ってから起こる症状
①胃切除後胆石
手術時、胆嚢の神経が切れると、胆嚢の動きが悪くなり、結石が出来やすくなります。
それはリンパ節を広範囲に郭清した時10~20%にみられます。
手術後、3年以内に起こることが多く、予防として手術で胆嚢をとることもあります。

②カルシウム吸収障害(骨粗しょう症)
骨密度の低下で、骨がもろくなり、小さい外力でも骨折しやすくなります。
予防法は、食事療法、運動療法です。


Ⅲ.手術後の予防法
少しずつ良く咬んで食べ物を撹拌してお粥状にして、「口で胃の働きを補う」すなわち「口に胃の代わりをさせる」事で、食べ物を少しずつ小腸に送ります。
それは唾液にはでんぷんを分解するアミラーゼという消化酸素が含まれているので、食べ物を少しずつ良く咬むことで、唾液の出が良くなり、食べ物をよく混ぜ合わせ粥状にすることで、残った胃や腸の負担を軽減するのです。
少しずつしか食べられない為に水分の摂取量も少なくなりがちです。

食事でつまずくのは、一度にたくさん食べる事と、食後すぐ横になる事で、食後15分~20分休んだら、散歩に出かけるなど、軽い運動をすることで胃や腸がよく動くのです。

食べることが苦痛になってしまうことはつらい事で、残された消化器をいたわる食べ方を心がけると同時に、食べる楽しみを徐々に取り戻しましょう。

まさに唾液は自然がくれた特効薬なのです。

咬合治療は、自律神経を調整し副交感神経に優位に働き、唾液を増やす事と良い姿勢を導くことは胃のピンチヒッターになりうる可能性もあるのです。

投稿者:池上 孝

2020年01月14日

逆流性食道炎から誤嚥性肺炎と噛み合わせ

軽い咳が続いたり、朝、喉が渇いたり、胸やけ、吐き気、げっぷ、呑酸(酸っぱい液が口に上がってくる)、声がかれる、喉がヒリヒリする等の症状があれば、逆流性食道炎の疑いがあります。
強酸性の塩酸が含まれる胃酸にさらされる胃粘膜はより保護されているのですが、長期にわたって食道、喉、口は、胃酸にさらされると粘膜はただれて、胃がん、胃潰瘍、胃炎の原因にもなります。
ピロリ菌は胃酸の分泌を抑えて胃を守っているのですが、ピロリ菌を除菌すると、胃酸分泌が増え、胃がんは減りますが、食道がんのリスクは高まります。
加齢現象として、胃の入り口の噴門部にある食道と、胃の境目をきゅっと締める下部食道括約筋の働きが悪くなると、胃の内容物が食道に逆流します。
また、糖尿病の人は、糖尿性神経障害により、食道の機能低下により逆流しやすいのです。
逆流性食道炎は横になると胃液の逆流が起こりやすくなり、睡眠中に胃の内容物が口に逆流して眠りが浅くなる為に、50%は睡眠障害を訴えています。
逆流性食道炎が長く続くと、食道粘膜が胃と同じような酸に強い上皮に置き換えられる「バレット食道」となり、食道の胃に近い部分には「腺ガン」が出来やすくなります。
日本人の食道がんの9割は「扁平上皮がん」で欧米では5割が「腺がん」と言われています。
腺がんは扁平上皮がんに比べて発症しにくいのです。

逆流性食道炎の合併症として、誤嚥性肺炎が起こります。
通常、誤嚥性肺炎は食べたものが気管に入って起こりますが、高齢になると下部食道括約筋の力が衰え、胃に入った内容物が食道内に逆流して気管に入ります。
気管に入ると通常はむせて排出しようとするのですが、高齢になるとその防御機能が鈍くなり誤嚥するのです。
誤嚥性肺炎はなんとなく息苦しさが続き、夜に咳き込むと、寝ている間に胃の内容物が逆流して気管に入る逆流性食道炎による誤嚥性肺炎が起こります。
強酸性である胃酸が気管や肺に入ると重症化しやすいのです。

治療薬はプロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を抑えるのであって、逆流を防ぐのではないのです。
長期の服用は副作用で腎臓悪化する事もあります。
予防法は満腹を避け、脂っこい物、カフェインや酸っぱい飲み物、胃酸の分泌を促進する為に控える事です。
また、しゃがみ込む作業、きついベルトをしめる、大声を出す等、お腹に力をかける行動を避けることです。
猫背、姿勢が悪いと、便秘も消化渋滞を招き、内臓に圧迫がかかり腹圧が高くなり、下部食道括約筋が緩んでしまう為に注意が必要です。
胃は左右で比べると左側の方が大きく膨らんでいるので、横になる時は左を下にして寝た方が逆流しにくいのです。
食後の入浴もお腹に水圧がかかり腹圧を上げる為、1時間くらいあけて入浴する事です。

逆流性食道炎、誤嚥性肺炎の予防はオーラルフレイルの予防に繋がり、自分で噛むことにつきます。

咬合治療は、自律神経を調整し、副交感神経を優位に働き、唾液、涙液が増え頭位も変え、良い姿勢を保ち、逆流性食道炎、誤嚥性肺炎の予防に大きく関係している事を知って頂きたい。

投稿者:池上 孝

2020年01月09日

「のどのつまりとエヘン虫」歯科からの提言

エヘン虫とは、診断名「咽喉頭異常症」です。
エヘン虫はつかみどころがなく、不思議な病気です。
のどがどうも変で、何かがある感じ、つばを飲み込んだり、薬を飲もうとするとのどが詰まります。
しかし食事をする時は、かえって具合いが良いのです。
また、仕事や何かに集中している時は気にならないけれど、何もしていない時に症状が強く感じられる事が多い様です。
夜になると咳が止まらず、その為に目が覚めて眠れないほどで、
エヘン虫がのどにいる感じがします。
のどに球が詰まっているヒステリー症状という事で「ヒステリー球」と言われることもあります。
呼吸器内科、耳鼻科で検査をしても異常が見つからず、自律神経失調症、更年期障害と言われ、向精神薬、咳止め薬を処方されても、それでも症状はとれません。
医師にとってもとても難しい事で、それは「異常なし」と言う事なのです。

歯科からの提言ですが、割り箸一本(約5㎜)を両小臼歯で5分咬んでみてください。
エヘン虫はもちろんのこと、目・鼻・喉の症状がどう変化するか、答えは自分自身で出してみてください。
そこに歯の噛み合わせが存在するのです。
こちらの記事も一読ください。


投稿者:池上 孝

2019年12月25日

化粧療法と噛み合わせ

歯は長い間にはすり減って短くなり、噛み合わせも低く低くなり、口唇の形も薄くなります。
その結果、口角部には寄りが出来て、そこに毛細血管現象によって唾液がいつも溜まり湿っている為、口角部に炎症が起こって赤くなっているのです。
その口角炎の原因は、一般に胃が悪いからと言われていますが、私が思うに噛みあわせが低くなって起こっていると思います。
その低くなった噛み合わせの高さを高くして元に戻す咬合治療により、口唇の形も昔に戻り、口角炎も改善する可能性があります。
又、噛み合わせが低くなった為に下の顎は後方に引けて、頭は前に傾くのです。
人間は二足歩行で、重い頭が前に傾き、バランスをとる為に背骨を曲げて猫背になっているのです。
その口唇の形も猫背も原因は歯の噛み合わせが大きく関係しているのですが、それは年のせい、気のせい、で片付けられているのが現状です。
その低くなった噛み合わせを高くする咬合治療で、原因不明の「身体の不調」も改善する可能性があります。
その補助療法の一つとして、化粧療法も考えられるのです。

男性に「化粧品」といえば100%「口紅」と答えるくらい、口紅は化粧品の中でも象徴的な商品です。
その化粧品の中でも口紅は92.8%が使用されている様です。

多くの人の唇は、年と共に薄くなり、口元のシワやほうれい線は増え、老けた印象を与えるので特に気になる部分です。
噛めない、痛い、外れる為に、入れ歯入れている人は少なく、入れていても上唇は薄く、見えない人も多くいます。

要介護状態の女性の約7割はスキンケアもメイクもしておらず、約3割の人はスキンケアだけは続けているそうです。
メイクで一番盛り上がる口紅を付けるにも、口唇が薄かったりほとんど見えていなかったりすると、楽しみは半減します。
女性でも普段スキンケアもメイクもしていない人もいますが、外出して誰かと会う時には、必然的に口に意識が向けられ、化粧をするでしょう。
女性はきれいで美しくなりたいという思いで、気持ちも明るくなり前向きになると、生活意欲が出て、自分に自信が持てれば年齢に関係なく、自らで行動を起こし、リハビリ等にも取り組み、レクリエーションに参加する意欲も増えてくるのではないでしょうか。
化粧が自分の口に関心を持つきっ掛けになり、口紅は一瞬にして印象をガラッと変え自分を彩る事が出来る有効な商品の様です。

年を取るにつれて「口の渇きが気になる」人は約16%います。
その原因はストレス、加齢、薬の副作用と言われています。
服用しているのは、睡眠薬、精神安定剤、抗うつ剤、利尿剤、抗アレルギー剤等で、75歳以上の約4人に1人は7種類以上の薬を服用しているようです。
多剤服用は副作用のリスクを増加させより一層、口内乾燥、唾液分泌減少に繋がると言われています。

心身の不調があれば、誰でも自ら行動を起こすことはなかなか難しいが、化粧をする事は顔全体に、化粧水やクリームを顔全体になじませる事で、知らず知らずに大唾液腺の耳下腺、顎下腺、舌下腺を触ってマッサージをしていて、それが血流を良くしているのです。
スキンケアには心理学的に脳科学的にリラックス効果があり、その結果として副交感神経が優位に働き、さらっとした唾液が多く分泌されます。
この様にスキンケアは唾液分泌を促していると考えられます。
唾液は食べ物の消化、吸収、咀嚼、飲み込み、口腔内細菌の制御、口腔粘膜の保護、味覚の感知に関わり、口腔健康維持に重要な役割を担っています。
認知症、要介護高齢者は口を動かすことも減って、口を触られることにも過敏になって口腔ケアを拒否する事もあります。
化粧をするという楽しさで、まず初めに香りのついている化粧品でリラックスのできる環境を作ります。
次にネイルを楽しみ、手指、腕マッサージや体操を取り入れて、最後に口紅を使う様になれば、自分の口に対して興味を持つ様になると思います。
この様にして化粧療法と噛み合わせ治療で自分自身の健康を取り戻す事も可能なのです。

投稿者:池上 孝

2019年12月02日

介護、認知症とオーラルフレイル

現代医学の秒進分歩により、平均寿命は延びていますが、健康寿命も延びるのが理想ですね。
平均寿命と健康寿命の差、男性9.8年、女性12.7年で、その差はまさに介護、寝たきりの期間で、出来れば0に近づけたいものです。
寝たきりにならず自立した生活を維持する為には介護、認知を防ぐ事が大切です。
人間誰しも年齢を重ねることで筋肉は30歳代から年間1~2%ずつ減少し、80歳代までは約30%が失われると言われています。
更に骨も脆くなっているのです。それがフレイルなのです。
人生の終末は誰しもNNK(寝込んで寝込んで苦しむ)ではなく、PPK(ピンピンコロリ)で終えるのが理想でしょう。

65歳以上で自分の歯が20本残っている人と、歯がほとんどなくなりよく咬めなくなった人と比較したところ、寿命が短いだけでなく、介護が必要な時間が長いのです。
しかも認知症を発症する可能性がおよそ2倍です。
噛むことは脳の血流を良くし、噛む力が弱まると認知症機能が低下するのです。
また、噛みしめる力が強ければ強いほど、歯と歯茎の間にある歯根膜の刺激が脳へ伝わり、運動、記憶などを司る海馬を活性化します。
噛むことで脳は活性化しますが、噛み合わせが悪いと、脳内のストレスや神経細胞が身体にストレスをもたらし、記憶障害を引き起こすと考えられています。
更に噛むことが出来なくなると脳は衰え、脳の神経細胞を破壊するタンパク質のアミロイドβが増加し、認知症の原因になる可能性があります。
一方、噛むことの刺激は、歯からだけでなく、粘膜や筋肉からも脳に伝わっていきます。
歯を失っていても、ブリッジ、入れ歯等で噛むことが出来れば脳を活性化する事も可能なのです。

また一歩下がって身体に不調を訴えている人の顔貌と姿勢に目を向けてください。
老人様顔貌で姿勢は悪く、猫背の人が多いと思いませんか。
人間は2足歩行で、首の上に重い頭が乗っています。
姿勢を決めるのが頭位で、頭位を決めるのが下顎(噛み合わせ)なのです。
歯も骨も長い間にはすり減り、短く、低くなり、噛み合わせも身長も低くなっているのです。
その結果、噛み合わせは低く低くなり、下顎は後ろへ引け、頭は前に傾きバランスをとろうと、猫背になっているのです。
猫背の人の歩行は不自然になり、バランスが悪く一寸した事でつまづきやすく、転倒、骨折、介護、認知症へと繋がっているのです。
低くなった噛み合わせをI-SPLINT(池上式スプリント:マウスピースの様なもの)を用いて挙上する事で、顔貌も若々しく姿勢も改善され、健康を取り戻すと共に介護、認知症の予防にも繋がるのです。
まさに噛み合わせはオーラルフレイルの最初の入り口でドミノ倒しのストッパーではないでしょうか。


投稿者:池上 孝

2019年06月26日

難病患者の随伴症状と噛み合わせ

難病患者の多くの方は、診断名にこだわっていませんか? 振り回されていませんか?
医師も全ての難病に精通しているとは限りません。
治療法は薬物療法がメインで症状が改善されなければ薬も増量され、新薬も加わりますが、副作用も無視できません。
難病ははっきりと診断がつかないから「~症候群」という病名なのです。
治療法も確立されていないから難病なのです。
その難病に対する随伴症状に目を向けてみてください。
その症状が少しでも改善されたらどうでしょうか?
難病の人々は、ドライアイ、ドライノーズ、ドライマウス、胃症状、便通、不眠etc.
また、猫背の人に、頭痛、首・肩コリ、膝痛(ロコモティブシンドローム)を訴えていませんか?
顔貌と姿勢は健康状態を表しているのです。
それを決定しているのが噛み合わせなのです。
難病患者は自分の「噛み合わせ」と「姿勢」を考えてみたことがありますか?
歯は話せて噛めれば良いというものではないのです。
難病患者にとって、その噛み合わせを変える事で随伴症状が改善すればどうでしょか?
その一つに自律神経失調症の随伴症状の一つであるドライマウスについて考えてみましょう。
症例
①66才 ベーチェット病
②83才 眼瞼下垂
③75才 パーキンソン病
④62才 全身エリテマトーデス

ドライマウスとは、何らかの原因で唾液の分泌量が減って、口の中が乾燥した状態の事です。
軽症では口内がネバつきや、飲み込みにくさ、口臭などの症状が自律神経失調症の症状です。
症状が進行すると、舌のひび割れ、舌痛症、ひいては食べ物が食べられなくなる事もあります。
口が渇く為に、水分の摂取量も増え、二次的に胃弱、便通異常にもつながります。
その原因は、「噛み合わせ異常」によるものです。
それは加齢と共に硬い歯もすり減って短くなり、また治療などで低く低くなって噛み合わせが狂ったからです。
赤ちゃんは口の中は唾液が湯水の如く溢れて、涎が垂れているでしょう。
それに引き換え、大人は加齢と共に井戸が枯れるが如く唾液は減少し、口の中は渇いてカラカラです。
これは、年のせいで片付けられているのが現状です。
低くなった噛み合わせを高くする事で唾液が増え、口の渇きも改善するのです。
その噛み合わせを一時的に高くしてみてどんな変化が起きるのか自分で体感してみてください。
まず、割り箸を5㎝くらいに切り、横にして左右の小臼歯間で5分間噛んでみてください。
すると涙液、唾液、鼻閉感、呼吸、目、顔貌などがどう変化するか体感してみてください。
涙液、唾液は血液の成分です。
一時的に噛み合わせを高くする事で口腔内の容積が拡大し、リラクゼーションが起こり、舌の可動域が拡大、気道が立ち上がることによるものです。
自律神経のバランスが乱れて、交感神経が優位に働くから涙液、唾液の減少が起こっているのです。
その涙液、唾液が増加することは、副交感神経が優位に働いたから自律神経のバランスの乱れが調整されたからなのです。
自律神経は瞬時に反応するのです。
噛み合わせを一時的に高くしたことで、自律神経が調整されたということの証明です。
それが噛み合わせなのです。
尚、反応が認められない人は割り箸(4㎜)では高すぎるか低すぎるからです。
爪楊枝(2㎜)を噛んでみてください。それでも変化がなければ、その時はОリングテストで、その人に適した高さを割り出していくのです。
必ずその人に適した高さがあるはずです。自転車のサドルの高さはいい加減が良いでしょう。
難病の人に対して、噛み合わせとはどういう物か、自分自身で体感してみてください。
たかが噛み合わせ、されど噛み合わせなのです。

投稿者:池上 孝

2019年06月15日

オーラルフレイルと噛み合わせ

フレイルとは、英語で「もろさ」「虚弱」を表す「Frailty」の日本語訳です。
高齢になり、筋肉や体力が衰えた事で、健康と病気の中間的な状態の事を言います。
サルコペニアとは、ギリシャ語で「肉」「筋肉」を表すsarcoと、「減少」「消失」を意味するpeniaを組み合わせた「筋肉の減少」という意味で、加齢と共に筋肉が衰える事を言います。
要介護と病気の一歩手前で、東洋医学で言う健康でもなく病気でもない未病と考えてみてください。
フレイルの最大リスクであるサルコペニアは、要介護の入り口とも言われています。
特に足の筋肉が減少すると、ロコモティブシンドロームに繋がり、ちょっとした段差にもつまづき、転倒しやすく骨折等で要介護になりやすく、外出頻度が減少し、社会との接点も減り、認知症になる可能性があります。
歯を失ったり、噛み合わせが狂うとオーラルサルコペニアになります。
そして咀嚼に必要な筋肉も減って、柔らかい物、食べやすい物ばかり食べるようになります。
その結果、口の周囲の筋肉も衰えて、食事がのどに詰まりやすく、お茶や汁物でもむせやすくなって、本当に食べられなくなる可能性もあるのです。
また、口角は口輪筋の動作は鈍くなり、飲み込む力が弱っていき、耳下腺への刺激も少なくなり、唾液は減少し、食物の嚥下が困難になります。
舌は歯列弓からはみ出し、萎縮して、乾燥し、免疫力は低下し動きも鈍くなります。
その結果、顎下腺、舌下腺への刺激も少なくなり、唾液の分泌量は更に減少します。
唾液の分泌が低下すると、ドライアイ・ドライノーズ・ドライマウス・便秘・下痢にも繋がり、ひいては歯周病も進行し、口臭も強くなります。
「滑舌の衰え」「食べこぼし」「わずかなむせ」「噛めない食品が増える」等、ささいな口腔機能の低下を見逃さない事が大切で、このわずかな口の衰えは、身体の衰えと大きく関わっているのです。
噛めない事がオーラルフレイルに繋がり噛めることがオーラルフレイルの予防なのです。
フレイルの最初の入り口が「お口」なのだという事を知って頂き、しっかり噛んで食べられないことがドミノ倒しになる傾向にあると考えられます。


投稿者:池上 孝