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歯の噛み合わせ

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2022年03月09日

原因不明の身体不調とかみ合わせ治療

身体的不調がある人の多くは咬合異常があり、医科で「不定愁訴」診断され薬物療法での効果に期待が持てず、歯科に解決を求めるケースもあります。
しかし、通常の歯科治療では満足できずに「デンタルショッピング」を繰り返しています。
「理想的な咬合」を求め3.4~4.4件の歯科を巡っており、その様な咬合異常患者に、歯科医の75%が遭遇しています。
その比率は女性が72~84%、年齢は51.7~53.1才、5年以上悩まされている患者は39.5%です。
咬合異常患者は社会的中流から上流階級にあるようです。
そのほとんどは何らかの歯科治療から始まり、修復治療、矯正、抜歯等で、もとの状態からどんどん「噛み合わせ」が狂い、症状は悪化していきます。
その結果、「症状悪化は歯科医師の技量のせい」「元の噛み合わせに戻してほしい」と訴えるケースがあります。
一方発症の原因として、歯科治療有無に関わらず、「外傷性の事故」や「人生の転機(離婚や転職)」の事例もあります。
咬合異常患者に、医師が脳内神経伝達物質の異常で「三環系抗うつ薬」「精神療法等」で投薬を行っても必ずしも良好な結果は得られない事は、歴史的に証明されています。
過度な「エビデンス主義」は思考停止に繋がり、歯科臨床を委縮させ、治療の発展を阻止し、救える患者を救えなくなると思います。
現状では、「咬合」と「不定愁訴」との関係についてすべて説明できるほど質的にも量的にも少なく、歯科医学の未来は決して明るくないのです。
咬合異常に対して「治らない」「手を出すな」と責任逃れすると、歯科医療、医学の進展はないのです。
「医科で治せない症例」を「歯科で治せる」ロマンを追いかかるのは、知識や技量の研鑚と、その治療に責任がとれ、自分の限界を見極める判断力が求められます。

私が行っている「噛み合わせ治療」は、まずマウスピースを装着し、低くなった噛み合わせを高くして下顎を前後、左右に動きやすく調整します。
それにより、全身の血流が良くなり姿勢が変わり、不定愁訴の症状が改善されるかどうかをみてもらいます。
身体不調の改善が認められる顎の位置を決めます。
マウスピースを外して、顎の位置が元に戻った状態と、改善した状態の再発が認められるかどうかを観察してもらいます。(再現性)
もちろん歯は削っていないので、外しても元の歯の状態に戻すことが出来ます。(可逆性)
一度治療を始めると元に戻すことが出来ません。
診断はまず歯科医がします。
最終的には自分の身体で体感、診断してもらい、症状改善に「噛み合わせ治療」が有効であるかどうかを患者自身に決めてもらいます。

私の考える咬合治療とは、低くなった歯を高くかさ上げする事なのです。

日本歯科医師会雑誌2
豊福 明 より抜粋

投稿者:池上 孝

2022年02月16日

入れ歯の「アタリ」と外れやすい原因

入れ歯は食事や外見などの生活に大きく関係し、全身にまで影響を及ぼします。
唾液は入れ歯の安定に重要で、入れ歯と粘膜の間で潤滑油の働きをしているのです。
噛み合わせが悪いと自律神経が乱れ、唾液の分泌が減少すると、潤滑効果が少なくなる為に、粘膜が傷つきやすくなるのです。
その結果、口内炎を作り痛くなる、通称「アタリ」が起こります。
痛みを我慢すると表面はただれて傷は大きくなり症状がますます悪化し、義歯性口内炎になります。
「アタリ」による痛みの為に食欲も落ち、食べる不自由さを感じ、あまり噛まずに食べられる軟らかい流動食、ゼリー食等に偏り小食になり、栄養不足に陥ります。
その為に、筋力も弱まり、歩く事もおっくうになる、という悪循環が起こり、運動不足により生活習慣病のリスクが高まり、認知症も無関係ではありません。
行く行くはメタボリックシンドロームになる危険性もあります。
原因は「噛み合わせ」が低なった為に、入れ歯は不安定になり、外れやすいのです。
外見的にも顔にシワが出来、見た目も老人様顔貌になります。
身体のバランスも崩れ姿勢も悪くなって、猫背になり、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスクも高まります。

「噛み合わせ」とは、物を咬む時、粘膜が受ける力関係は未補装の凸凹の道路と、アスファルト補装の道路の走行時の違いをイメージしてください。(トラックとエアサスペンションの車)
咀嚼時固い入れ歯がガタガタ動くと外れやすくなります。
すると軟らかい粘膜は傷つき「アタリ」が出来ます。
それが私の考える「歯の嚙み合わせ」なのです。

投稿者:池上 孝

2021年09月27日

噛み合わせが低く、深い人(歯のある人、義歯の人)と体調不調について

噛み合わせが低く、深い人は歯の有り、無しを問わず、体調不良の人が多いと思います。
これらの人は、検査をしても異常は認められず、もちろん原因もわからず結局気のせい、年のせい、で片付けられていませんか。
その為、原因不明でもがき苦しんで藁をも掴みたい思いで救いを求めて、サプリメント、東洋医学的療法で対応している方も多いと思います。
その人たちの姿勢に注目してみてください。
噛み合わせが低くなり、下顎が後ろへ下がり姿勢も悪くなり、その結果体幹軸が狂い、全身のバランスが不安定で、背骨が曲がり猫背になっていて、首・肩・背中・腰・膝に異常を訴えており、顔貌を見ても上唇も薄くなりへの字の形をしていて、いかにも老人という状態で人生を諦めかけている人もおられるのではないでしょうか。
多くの人は歯の噛み合わせが低い事に由来している可能性があるのです。
その人たちの多くは、身体の異常を訴えている側が低く、顎の動きも悪い為に血行不良が起こっているのです。
義歯の人の多くは、痛くて、噛めなくて、不安定で、外れやすいから外しているのです。
その人に適した高さで噛める、義歯を入れる事で頭が安定し、体幹軸もしっかりして、姿勢も良くなり、顔貌も若々しくなり、引いては誤嚥防止、肺炎予防にまで関係しているのです。
それがオーラルフレイルであり、フレイルの始まりなのです。
そこに私の考える噛み合わせの存在があるのです。


投稿者:池上 孝

2021年06月08日

私の脊椎側弯症に対する歯科的考え

脊椎側弯症とは、背骨がねじれ変形して左右に曲がる病気で原因は不明です。若年層にみられる脊椎変形症で、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形を生じ、13歳から14歳女子の100人中2~3人は罹患していると言われています。
多くは無症状のまま進行しますが、進行すると腰、脚が痛み、更に進行すると心肺機能や運動器にも影響を及ぼす恐れがあります。
進行度は背骨同士がなす「コブ角」で評価されます。
手術で背骨を固定すれば姿勢は改善されますが、運動が制限され、かがんで靴を履く時、道路に傾斜のあるところでは歩行時バランスをとるのに不自由を感じます。
装具治療で骨の成長がとまる時期までに20度前後で落ち着けば・・・。
コブ角25度未満であれば、経過観察、25度以上になると装具治療、45度前後になると手術の対称となります。
東洋医学的療法で背骨の歪みを手技で調整する脊椎矯正では、肩こり、腰椎等の症状改善には繋がりますが、側弯症が改善されることは証明されていません。
私が思うに、若年層に歯の噛み合わせに起因すると思われる、歯牙の先天的欠如、1本の歯が外側、内側に転移している、乱ぐい歯、深い噛み合わせ、が認められる症例であれば、一度咬合治療を考えて見てはいかがでしょうか?

また、高齢層においては義歯、ブリッジ等により噛み合わせが狂い、その結果体幹軸が狂い不良姿勢の為に、肩、腰、膝等に影響を及ぼし、側弯症を含めロコモティブシンドロームにも繋がっている可能性があるのです。
メスを入れる前に歯科的な咬合治療を視野に入れてみてはいかがでしょうか?


投稿者:池上 孝

2021年01月08日

誤嚥とロコモティブシンドロームは噛み合わせから

加齢によって起こる身体機能の低下、更に精神的・身体的・社会的な問題から、心身の機能が老い、衰え、気持ちも落ち込みます。
その為、うつ病を招き、人と話す機会も失い、認知機能の低下が起こり、要介護状態に陥る一歩手前、この状態をフレイルといいます。

健康と病気の中間的な段階で「老人症候群」とも言われています。

人間誰でも、年齢を重ねることで30才代から年間1~2%ずつ筋肉量は減少し、80才頃までには約30%の筋肉量が失われます。
それに伴ってもちろん筋肉力も落ち、更に骨も脆くなっていく事は避けては通れないのです。
また、痩せている人は筋肉力が弱くなっている可能性が強く、太っている人は腰や関節に負担がかかっている恐れがあります。

加齢に伴い骨格筋肉量と筋肉力が弱くなっている状態を「サルコペニア」といいます。
特に足の筋肉量が減少してサルコペニアになるとロコモティブシンドローム(運動器症候群)にも繋がり寝たきりになる可能性があります。

寝たきりになる原因の多くは運動器の病気です。
運動器とは、身体を動かす部位の事で、骨、関節、筋肉、神経などを言います。
ロコモティブシンドローム(略してロコモ)は、骨・関節・筋肉・軟骨・椎間板といった運動器の障害から、運動機能が低下し、立つ・座る・歩くことに障害が起こる状態です。
運動器の疾患は主に、関節疾患、病気や骨折、転倒などの怪我で寝たきりになり、要介護や要支援の原因にもなります。
ロコモは高齢になるほど増え、50歳代以上の7割の人がロコモの恐れがあると言われています。まさにそれがフレイルなのです。
ロコモに関係する病気は、変形性膝関節症、腰部脊椎狭窄症、骨粗鬆症などがあります。
「腰や膝が痛い」「関節が動きにくい」「手足がしびれる」「転びやすい」と言った症状があれば、多くは年のせいで片付けられますが、ロコモのおそれがあるのです。

人間を長い間続けるほど、「フレイル」は誰でも起こるものです。
私が思うのに、フレイルの起源は、オーラルフレイルから始まるという事を知っていただきたいのです。
良く噛めることは栄養摂取が可能になる事で、筋肉量が増え筋肉力がつき、動きもスムーズになり、自然に運動量も増えます。
その結果、やる気も取り戻し社会参加にも繋がるのです。

噛むということは、上顎と下顎間に物を介在させ強い咬合力を加えて噛み砕く事なのです。
その咬合力を負担するのが、歯であるか義歯であるかによって大きく変わります。
自分の歯であれば咬合力は直接歯の歯根膜(繊維)を介して骨に伝えられるのです。
しかし義歯の場合は歯肉を介して骨に伝わるのです。それは丁度布団の上に乗っている状態で咬合力は大きく低下します。
強い力で噛みたくても、自分の歯と義歯ではその様に大きく異なります。
強く噛み砕くという事は牛が物を噛んでいる姿を想像してみてください。
右で噛む時は下の顎を大きく開き、上顎と下顎の間に物を介在させ右側に円を描くようにサークル状に石臼の様に噛み砕いているのです。
だから臼歯という名がついているのです。
最大の咬合力を発揮して物を噛むことは、口の周囲の筋肉はもちろん、呼吸、嚥下に関係する筋肉量、筋肉力が増加して、サルコペニア、ひいてはオーラルフレイルの予防になり、むせや誤嚥の予防にも繋がります。

誰でも年と共に、歯を失ったり、すり減って短くなり、噛み合わせも低くなり咀嚼能力が低下してオーラルフレイルになるのです。
噛み合わせが低いという事は・・・想像してみてください。
自転車のサドルが低ければどうでしょうか?
又、高すぎるとどうでしょう?低すぎても高すぎても悪いのです。またその高低にも許容範囲があり、その人に丁度良い高さが最大限の力を発揮できるのです。
その高さを追求するのが噛み合わせなのです。

歯も年齢を重ねる事で失ったり、噛むことですり減る為に、短くなり、噛み合わせは低く低くなります。
その結果、下顎は後ろへ下がり、頭は前へ傾きます。
そして二足歩行でバランスをとる為に背骨を曲げて猫背になっているのです。
前傾姿勢で重心は足底の前方に位置し、その為、歩幅が小さくチョコチョコ歩きで速度も遅いのです。
また、腰、膝の左右どちらか一方に過重な負担がかかり、腰や膝に不調が起こり、手足がしびれる、関節が動きにくい、転びやすい、などのロコモの症状で、バランスが悪く、ちょっとした物につまずき転倒して骨折、入院、認知症、介護に繋がるのです。

骨折すると、外出頻度が減り、社会との接点も減り、認知症になる可能性もあるのです。
一方、噛めなくて食べられないとオーラルフレイルになり、咀嚼に必要な筋肉量も減り筋力も弱まる為に、軟らかい物、食べやすい物ばかり食べる様になます。
その為に口の周囲の筋肉量の減少が筋肉力の低下に繋がり、飲み込む力が弱くなり食事が喉に詰まりやすく、お茶や汁物でも咽やすくなり、食べられなくなり、嚥下困難から誤嚥から肺炎に繋がります。

噛み合わせ治療で特筆する事は、自律神経が調整され副交感神経が優位に働き、涙液、唾液が増加するという事です。
それが誤嚥の予防に繋がるのです。
噛み合わせは誤嚥、ロコモに大きく関係しているのです。

低くなった噛み合わせを元の高さに再現するのが噛み合わせ治療なのです。
噛み合わせ治療により顔貌も若々しく、姿勢も是正されて運動が出来る事と噛める事により、骨に力が加わり、骨粗鬆症、介護・認知症の予防、ひいては健康寿命に繋がるのです。

予防法
動きにぎこちなさを感じ始めると、運動量は減少しがちになります。
運動量が減ると、食欲が落ち、栄養不足から筋肉量、筋肉力が低下してますます運動しなくなってしまいます。
そんな悪循環に陥らないために、運動量を減少させない生活、適度な運動で骨に刺激、圧力を加え、適切な栄養を口から摂取する事です。

フレイル予防は、良く噛むこと(オーラルフレイル)で栄養が取れてサルコペニアの予防になります。
そして筋肉を作る事で体幹がしっかりし、良い姿勢が保たれ、運動が出来て、ロコモ予防にもなるのです。
その結果、社会参加への気力、体力(充実)が得られ、心身にも余裕を持つ事が出来て健康寿命に繋がるのではないでしょうか。
フレイルは全てオーラルフレイル(噛むこと)から始まるのです。
最終的には手術による人工関節も視野に入れなければなりませんが、メスを入れる前に「噛み合わせ治療」を考えてみてはいかがでしょうか。



投稿者:池上 孝

2020年12月24日

パーキンソン病と噛み合わせの関係

パーキンソン病は運動を司る神経系統に異常が生じて運動機能に障害が現れる病気です。全身に多くの随伴症状が現れる事から「全身病」とも言われています。
パーキンソン病の症状には、運動症状と非運動症状とがあります。

運動症状は、発症初期からみられる特徴的な症状です。

脳の神経細胞に異常が起こり「手の震え」「うまく歩けない」等の運動症状が現れる病気で、徐々に進行します。
高齢者に多く、日本には約20万人の患者がいると推定されます。
パーキンソン病は、脳の神経細胞が「信号」のやり取りをするのに必要な「ドーパミン」という神経伝達物質が減少することによって発症します。
私たちが体を動かすには、脳の大脳皮質から全身の筋肉へ運動の指令が伝えられますが、その指令の調節にドーパミンが欠かせないのです。
ドーパミンは脳の奥の方にある「黒質」という部分で作られますが、その黒質の神経細胞が減少する為、ドーパミンも減少し、運動の指令が調整できなくて、身体をスムーズに動かす事が難しくなるのです。
黒質の神経細胞が減少する原因は不明ですが、発症すると神経細胞をもとに戻す治療法はまだありません。

★運動症状
①無道・・・動きが素早くできない、歩くときに足が出にくくなる。(すくみ足)
話し方に抑揚がなく声が小さくなります。
②筋強剛・・・肩、膝、指等の筋肉が硬くなって、スムーズに動かしにくく痛みを感じる事もあり、顔の筋肉がこわばり、無表情に感じられます。
③静止時振戦・・・何もしないでじっとしている時に震え、片方の手や足の震えから始まる事が多く睡眠中は震えは止まりますが、目が覚めると震えが始まり、1秒間4~6回ぐらい震えます。
④姿勢反射障害・・・体のバランスがとりにくくなり、転びやすく、歩いて止まれなくなり、方向転換をするのが難しい。
症状が進むと首が下がり、体が斜めに傾くこともあり、転倒を招き、骨折の原因になるので注意が必要です。

★・非運動症状・・・非運動症状の中には、運動症状の前に現れる症状もあります。
・自律神経障害症状・・・便秘や頻尿、立ちくらみ(起立性低血圧) などです。
・認知機能障害・・・いくつかの手順を踏む行動が計画できなくなり、認知症症状が出て注意散漫になります。
・嗅覚障害・・・匂いを感じなくなります。
・睡眠障害・・・不眠や日中の眠気を感じます。
・精神症状・・・うつ、不安などの症状、アペシー(身の回りの関心が薄れたり、顔を洗う、着替えをする気力がなくなる)、幻覚、錯覚、妄想などの症状が現れます。
・疲労や疼痛、体重の減少・・・疲れやすい、肩・腰の痛み、手足の筋肉痛やしびれ、体重の減少などが起こります。

★その他随伴症状
便秘、頻尿、立ちくらみ等の自律神経障害や、「レム睡眠行動障害」等の睡眠障害、嗅覚低下等の感覚障害、嚥下障害、不安、うつ等の精神症状や認知機能障害が現れたり幻覚等が現れる「レビー小体型認知症」を合併することもあります。
最初に現れる、手足の震え、歩き方が変わった、運動症状に先行して、前触れとして現れる嗅覚低下、レム睡眠行動障害、便秘、うつ等の症状が思い当たる場合は、パーキンソンの疑いが強くなります。
それぞれの症状は高齢になると「年のせい」で片付けられたり、骨や関節の病気や認知症と思われて診断が遅れる事があります。

現在の治療法
治療は運動症状に対して薬物療法が中心が薬による副作用も・・・・。
<薬物療法>
レボドパ(Lドパ)とドパミンアゴニスト等を組み合わせての処方。

薬物療法が、難しくなったらデバイス(機器)を用いた「デバイス治療」が検討されます。
また、治療と並行してリハビリテーションには悪化を防ぐ効果があります。
そしてIPS細胞を用いる再生医療も始まっている様です。

<脳深部刺激療法>
脳の深部に電気刺激を送る脳深部刺激療法で、脳内に電気刺激を送る為、脳に電極を埋め込む手術が必要です。
<経腸療法>
チューブを介して腸にLドパを投与する経腸療法で内視鏡手術で胃ろうを増設します。
<運動療法>
何もせずに動かないでいると症状が進行する為、現状を維持する運動療法(リハビリテーション)は有効です。
運動症状は薬によって発症から2~3年は治ったのではないかと思われる等良くなります。
しかし長期間にわたると、薬の効果が早く切れて症状が出る「ウェアリングオフ」や、薬が効きすぎた事で身体が勝手に動く「ジスキネジア(不随意運動)」が現れる事があります。
又、吐き気、眠気、幻覚などが起こる事があり、衝動的になって賭ける等に夢中になるケースもあります。

リハビリ
ウォーキング、朗読や会話、カラオケ等で大きな声を出す事や、柔軟性を保つストレッチング、筋肉トレーニングを組み合わせて行う事や、音楽を聴くだけでもリハビリテーションの効果があります。

家族で出来る事
動作が遅いとついせかしたり、代わりにやってしまったりしがちですが、ゆっくりでも自らできる様に見守り、基本的には待ってあげる事に心がける事です。
一方、助けを求めている時は必要な手助けをしてあげる事です。
また、躓きやすい場所を減らす等、自宅の環境を見直すことも大切です。

私のパーキンソンに対する歯科的考え

噛み合わせを治療する事で、姿勢が正され重心が変わる為、ふらつき・歩きの改善、首・肩・腰・膝痛の改善、自律神経が調整される事により、唾液・涙液の増加、睡眠、便秘の改善が期待できます。

私の30年来の臨床結果から、パーキンソン病の多くは、噛み合わせの低下が関係していると考えています。
噛み合わせが低い症例に対して咬合を高くする事で症状の改善に繋がる可能性があります。
割箸(4㎜)を噛んで、低くなった噛み合わせを一時的に高くして、5分咬むことで、ドライアイ、ドライノーズ、ドライマウス症状改善を体感する事が出来て、噛み合わせとパーキンソン病の関連を自分自身である程度知る事が出来ます。
相談してみてください。


投稿者:池上 孝

2020年12月24日

シェーグレン症候群と噛み合わせの関係

膠原病の1つで体の中に侵入してきた細菌ウィルスを攻撃する免疫の働きに誤作動が起こり、免疫が自分の身体の組織を攻撃する「自己免疫疾患」の1つです。
涙腺や唾液腺に反応することが多く、涙や唾液が少なくなり、目が乾くドライアイや、鼻が乾くドライノーズ、口が渇くドライマウスの症状が現れます。
また、随伴症状として疲れやすい、関節が痛む、寒さや冷たい水によって指先が白くなる「レイノー現象」(膠原病に特徴的な症状で、突然手や足の指先の色が白から紫色に変わる。寒冷や精神的ストレス等により血管が一時的に収縮する事で起こる現象)や耳下腺、顎下腺が腫れることがあり、症状が進むと日常生活に支障を来たします。
進行すると、全身症状として①多関節炎、②筋肉痛、③末梢神経障害による手足のしびれ、④間質性腎炎や間質性肺炎(組織と組織を埋める「間質」に炎症が起こる)を起こす事もあり、時には命に係わることもあります。
シェーグレン症候群の30%~40%で、関節リウマチや、全身性エリテマトーデスなど膠原病が合併していると言われています。
日本での患者は約7万人で、身近な症状の為見逃されている事も多いのです。
どの年代でも発症しますが、50歳代に多く見られ、女性が全体の9割以上と、圧倒的に多いのが特徴です。
国の指定難病の1つで原因はまだ不明です。
初期症状は「目が疲れやすい」「涙が出づらい」「鼻がつまる」「口が渇く」などの「ドライアイ」「ドライノーズ」「ドライマウス」などの症状があります。
治療は対症療法が主で、免疫の異常によって自分の組織が攻撃される病気で、免疫の働きを抑えるステロイド薬、免疫抑制薬を中心にした薬で飲み続けます。
局所的にはドライアイに対して点眼薬、涙点プラグが行われます。
ドライマウスに対して唾液の分泌を促す薬、唾液保湿ジェル等が用いられます。
唾液腺の腫れ、臓器障害に対してもステロイド、免疫抑制薬で症状を抑えますが、ステロイド薬や免疫抑制薬は副作用が起こる可能性があります。
私の30年来の臨床結果から、シェーグレン症候群の多くは、噛み合わせの低下が関係していると考えています。
噛み合わせが低い症例に対して咬合を高くする事で症状の改善に繋がる可能性があります。
割箸(4㎜)を噛んで、低くなった噛み合わせを一時的に高くして、5分咬むことで、ドライアイ、ドライノーズ、ドライマウス症状改善を体感する事が出来て、噛み合わせとシェーグレンの関連を自分自身である程度知る事が出来ます。
相談してみてください。

シェーグレン症候群(SS)にみられる症状
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投稿者:池上 孝

2020年06月16日

のどの詰りと窒息死と噛み合わせ

厚生労働省の調査によると2016年には65歳以上の4300人が、食べ物をのどに詰まらせて窒息死しています。
同年交通事故で亡くなった高齢者は約3000人で、人口10万人当たりの食事中の窒息死者数は、50代後半では1.4%、60代後半で3.2%と、65歳以降から徐々に増え始めています。
80代前半で16.7%、後半で32.4%、80代から高齢化するにつれて急増しています。

人間誰しも年齢を重ねる事で、30代から年間1~2%ずつ筋肉は減少し80代までに約30%の筋肉は失われると言われています。
更に骨も脆くなっていくことは避けて通れないのです。

筋肉の減少に伴い、加齢と共にのどの機能も衰え、飲み込む力も弱まり、ものがうまく胃に運ばれず死んでしまう事もあるのです。
窒息死は、死に至る時間こそ短いが、もがき苦しみ、酸欠から意識朦朧となり力尽きて息絶えるのです。
窒息すると頭や顔に流れた血液が心臓に戻って来なくなり、脳に酸素が届かなくなります。
一般に脳への酸素供給が10秒間途絶えるだけで意識を失い、4分間続けば死を迎えると言われています。
まるで水中で溺れているように、いくらもがいても呼吸は楽にならなく、運よく一命を取り留めても、脳がダメージを負って意識が戻らず寝たきりになったり、脳死状態になって数日後に亡くなるケースがほとんどです。

Ⅰ.食べ物
○おにぎりと脂
お米は握ると粘り気が増して、粒同士がくっつき、のどの粘膜にも張り付きやすくなり、一度くっつくと剥がれにくくなり、窒息の原因となりやすいのです。
パラパラの炒飯よりぎゅっと握ったご飯の方が詰まりやすいのです。
○パンは口で咀嚼され、唾液が含まれるとくっつきやすくなり、餅のように窒息しやすい食べ物に変化するのです。
○白滝、糸こんにゃく、素麺の麺状で長い物は喉の奥に詰まりやすいのです。
○葉物野菜、わかめ等の海藻は粘膜に張り付きやすく、剥がれずに苦しみ窒息するリスクがあります。
健康な人ならドロドロしたものが間違って気道に入っても、咳き込んで吐き出せるので窒息することはないですが、高齢者は喉の機能や肺活量が衰えている為に気道に入ると、窒息の原因となるのです。
窒息時間と死亡率は、異物を5分以内に除去できれば94%は助かりますが、6~10分かかると42%が死亡するか意識が戻らない状態になります。
救助法は、背中を叩いたり腹部を突き上げてもダメなら掃除機によって吸引すると7割が助かったとの報告もあります。

Ⅱ「薬」での呼吸困難

高血圧治療で、脳梗塞、心筋梗塞などを予防するために、毎日何種類もの薬を飲めば、血圧は下がり、病気の予防に繋がるかもしれませんが、その薬のせいで、喉に詰まり呼吸困難に陥る危険性もあります。
こうしたリスクのある薬は3種類あります。

①「唾液」の分泌を妨げる薬
咀嚼して物を飲み込むために唾液は欠かせないものです。
唾液が出ていると無意識のうちに食べ物を舌の上でボール状の塊にして飲み込んだ時に、喉に引っ掛かる事なく少しずつ通るのです。
口に湿り気もなく水分がないと塊は作れないので喉の奥に食べ物がくっつきやすくなり、食道に入らなくなり、気道の入り口を塞いで呼吸が出来なくなります。
唾液の分泌を妨げる薬の、頻尿薬である抗コリのアセチルコリンという物質は、尿を出す働きと同時に唾液も出しているのです。
片方を抑え込むともう一方もセーブされているのです。
花粉症薬も年を重ねると皮膚が乾燥してかゆみを訴える人にかゆみ止めとして、抗ヒスタミン薬が処方されます。
更に、睡眠薬も長期間毎日飲み続けることで口が渇いてくるのです。
唾液は加齢と共に出にくくなり、昔に比べて物が飲み込みにくくなるのは「老化のせい」と思い込んでいますが、薬の副作用も考えられます。
本来なら75歳位までは唾液は十分に分泌され、飲み込みにくさを感じることは少ないのです。

②「飲み込みに関わる筋肉」を衰えさせる薬
カルシウム拮抗薬の降圧剤。
骨や歯の主成分であるカルシウムは、筋肉を縮める役割をもっていて、カルシウム拮抗薬は血管の筋肉が縮まるのを抑える事で血管を広げて血圧を下げているのです。
この薬は喉を動かす筋肉の働きも制御して、副作用で物がうまく飲み込めなくなる人もいます。薬で食事中に事故を起こすより、血圧が高めの方が健康リスクは小さいかもしれません。
睡眠薬は筋肉の緊張をほぐす事でリラックスさせて眠りへ導くのです。
その為薬が効いている時に喉の周りの筋肉も弛緩しやすくなり、唾液の分泌を抑えるだけでなく、飲み込む力も弱っているのです。

③「脳の働き」を低下させる抗うつ薬
物を飲み込む時、喉の神経反射が反応して窒息せずに食事が出来ています。
抗うつ薬の効き目がまだ残っていて、脳の働きが半ば眠ったままの状態で食事をすると、喉の神経反射も寝ぼけている為、誤って息を詰まらせる危険性もあります。

薬も高齢になると、飲み込みにくくなり、薬のカプセルやオブラート使用時、唾液で表面が少し濡れていると、かえってくっつきやすいことがあり、喉に張り付いて呼吸困難に陥る可能性がありますが、予防法は水にしっかりつけて表面にぬめりを出して飲むことです。

Ⅲ「タンが絡む」ことから窒息死

慢性閉塞性肺疾患(COPD)
喫煙者の2%が発症し、年間19000人が亡くなっています。
気道は、クリーナー、加湿の働きを持ち、空気の通り道です。
これらの働きによって気道内感染を予防するほか、無菌状態に保ち、痰が溜まるのを防いでくれます。
痰は肺の中の分泌物や、肺に入った空気中の浮遊物が粘液と混ざったものです。
COPDの人は慢性的に気道に炎症が起きていて、タンを外に出す力も弱くなり、喉の奥に溜まりやすく、詰まるリスクは高いのです。
気道は乾燥するとウイルスや細菌に感染しやすくなるため、いつでも濡れた状態を保つために常に分泌液を出していて、そこに異物が入ると分泌量が増えて、外敵をくるんで外に押し出しやすくして気道や肺を守っているのです。
気道の表面では線毛という細かい毛が喉に向かって動いていて、敵を封じ込めた分泌物は線毛によって運ばれ、のどへ押し出されて「タン」となり、そして咳き込むことで口から外へ吐き出されるのです。
COPDの人が風邪やインフルエンザにかかると、気道や肺の機能が低下し、悪化の一途を辿りがちなのです。
加齢と共に喉の機能や反射機能と速度が衰え気道にタンが溜まっていてもそれに気づかず咳をしなかったり、咳をしても筋力が足りず出し切れないこともあるのです。
自分の力でタンを吐き出せなくなると、窒息死するのを待つか、タンを吸入してもらうかです。しかも吸われる人にとってはまさに生き地獄です。
「タンが絡む」から始まる窒息死は痛くてつらいものです。

Ⅳ誤嚥の繰り返しで肺炎 「自分の唾液で」のどが詰まる

2017年誤嚥性肺炎で亡くなった人は約36,000人です。
食べ物をのどに詰まらせるなど明らかな誤嚥で窒息した人の約8倍もの人が誤嚥性肺炎で命を奪われています。
嚥下機能は寝ている間も働いていて、唾液を飲み込んでいます。
高齢者はのどの嚥下する筋力が衰えて、寝ている間にも知らず知らずに唾液を誤嚥して肺炎を引き起こしていることが多いのです。
しかも不眠の為にのむ睡眠薬の中には、飲み込む筋肉を縮める力が弱まり、寝ている間にいつの間にか誤嚥し肺炎を起こすケースが多いのです。
物を食べている時は、通常、喉頭蓋と言われる部分が気管に食べ物が入らない様に蓋をしています。

起きている時は気管に唾液や食べかすが入ると自然とむせて咳き込んで誤嚥を防いでいますが、寝ていると間はその蓋が機能しないことがあります。
口の中には歯垢1㎎に1億以上の細菌がいて、その中には肺炎を起こす細菌もおり、特に口を開けて寝ていると乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり、肛門と同じかそれ以上に汚いと言われる唾液が気管を通って肺に留まり肺炎を引き起こします。

高齢者の誤嚥性肺炎は自覚症状が少なく、若い人であれば高熱が出ますが、せいぜい微熱程度で発見が遅れて悪化しやすく、見つかった時には手遅れというケースが多いのです。
唾液が原因で肺炎になり、最後まで自分の唾液に苦しめられる、そんな最期は迎えたくないですね。
予防法として、噛み合わせ治療と噛み合わせ治療の出来ている義歯を睡眠時必ず装着する事です。

Ⅴ「花粉症」などのアレルギーで気管がつまる

一般に人は年を取ると花粉症などのアレルギーは軽くなると言われています。
花粉などの異物が体内に入ってきた時に、身体の免疫が作用して炎症を起こしていたのが、加齢と共に免疫システムも弱体化して花粉など異物に対しても過激な反応しにくくなり、アレルギー反応も治まってくるのです。
花粉症が進行すると、目や鼻のみならず、気管支までアレルギーが拡大し喘息になる人も多いのです。
アレルギー反応を起こす物質もあり、アレルギーが出る時に風邪などでウイルスに感染するといつも以上に気管が収縮して息苦しさを増すこともあり、またエビ、サバ、蕎麦等の食物アレルギーも出ると窒息に至る事もあります。
食物アレルギーで恐ろしいのは、喉頭浮腫といって喉の奥が腫れて空気の通り道を塞がれる、突然重症化するアナフィラキシーショックで気管がつまったら・・・。

花粉症で、鼻水、鼻づまりによって鼻呼吸がし辛くなり、口呼吸する事が多くなると、口の中が乾燥しやすくなり症状は悪化します。
花粉症の薬の中には副作用として、唾液の分泌を抑えるものがあります。

Ⅵ「むせる」

飲み込む力が衰え、ものを食べている時や水、お茶を飲む時に、むせる事が増えるのは、のどの機能が衰えていて窒息のリスクも上がります。

むせ込みは、誤嚥を防止する為の防御反応の事です。
つまり、気道に入った食べ物を咳をする事により、気管の外に出そうとする反応の事です。
それを含嗽反射(がんそうはんしゃ)と言います。
誤嚥に対する含嗽反射が低下すると誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるのです。

むせる理由は3つ
1つ目は、気道の蓋の閉まりが悪い事。
人間の喉は、食べ物と空気を一緒に運び、途中で食べ物は食道へ、空気は気管へと運ばれます。
その振り分けを行っているのが喉仏の辺りにある喉頭蓋で、食べ物が喉に入ると、喉仏があがってこの蓋が倒れて気道の入り口を閉じる為、きちんと食道へ入っていくのです。
男女とも40代位から喉仏の位置が下がり始め(これは咬合高径の低下によるもの)、年齢を経るにつれてますます喉仏が上りにくくなると喉頭蓋が倒れにくくなり、気道の入り口が閉まりきらず隙間があるから物が詰まるのです。

2つ目は気道の蓋を締めるスピードが遅い事。
のどは通過していくものが食べ物か空気かを瞬時に判断し、蓋を動かすが、年と共に反射速度が落ちて、気道を閉じるのが遅れれば食べ物を誤嚥してむせるリスクは高まるのです。

3つ目は「脱水症状」に陥っている。
口やのどが充分湿っていないから飲み込んだものがバサついていて食道へと進まず、喉に張り付いて咳き込んでしまうのです。
むせるのは飲み込む力が衰えていて、誤って気管に入りかけた異物を吐き出そうとする自己防衛反応の現れです。
飲み込む力を改善するには、人と喋ったり、カラオケをして喉の筋肉をしっかり使う事が有効で、又、誤嚥しない様にと軟らかい物ばかり食べていると、かえって顎の力が弱くなり嚥下機能はますます衰えていきます。
歯ごたえのある物をいつもの倍以上しっかり噛めば喉の力も強くなり、のどを詰まらせるリスクは低くなります。

のどを詰まらせて窒息死 週刊現代より引用

Ⅶ 誤嚥予防法

正常な嚥下は、口唇閉鎖、鼻腔咽頭腔、気管(喉頭蓋)が閉鎖され、舌、下顎骨、舌骨、喉頭が挙上し、舌、下顎骨、舌骨が固定されて食道の開大が起こり、食物移動(嚥下)が起こるのですが、どこが欠けても誤嚥は起こるのです。
すなわち嚥下機能を最も保持しているのは咬合なのです。
言い換えれば咬合低下は誤嚥を生じる要因です。
咬合低下に対して、咬合挙上する事で、口内の面積が拡大する為に舌の可動域の拡大が起こり、気管に物が入らないように蓋をするスピード機能も回復します。
また、自律神経が瞬時に調整される結果、唾液が増加し口内、気道の潤いにより嚥下機能がスムーズになります。
固い物を咬む事で嚥下機能、肺機能の回復する事も可能なのです。

人間を長い間続ければ続けるほど、フレイルは誰でも起こるのです。
そのフレイルの元の元は、オーラルフレイルから始まる事を知って頂きたい。
噛むことで栄養が行き届き、筋力も付き、働きもスムーズになり、社会活動に繋がるのです。
経年的になぜ顔も姿勢も老人様になっていくのでしょうか?
そして、動作が鈍くなり、あっちこっちが痛い、歩きが不自由になるのでしょうか?
そして病院での診断の結果、「異常ナシ」で「年のせい」で片付けられて諦めていませんか?
でも考えてみてください。
精密機械でも長年使用すると金属もすり減ってくるでしょう。でも代わりの部品があります。
人間を長い間していると、歯も骨もすり減って短く低くなり、その結果、身長も低くなり猫背になっているのです。
噛み合わせ治療が部品に当たるのです。
人間は二足歩行で最上部に頭があり、頭の位置が姿勢を決めているのです。
その頭の位置を決めるのが歯の噛み合わせなのです。
年と共に噛み合わせは低く、噛みにくくなっているのです。
入れ歯が痛い・咬めない・外れやすい、だから夜間を含めほとんど外しているのです。
一時的に噛み合わせを高くするとどうなるか体験してみてください。
割箸を5~6cm、両小臼歯で5~10分咬んでみてください。
そして口の中の変化(唾液の増加)、目の変化、鼻の変化、立ち上がり、歩き、目線の違いを比較してみてください。
それが歯の噛み合わせなのです。


投稿者:池上 孝

2020年06月16日

生活習慣病・薬漬けの副作用と噛み合わせ

薬を飲むと病気の原因の部分だけの効果でなく、全身に効果は行き渡ります。
その為全ての薬には主作用と副作用があります。
病気を治したり、症状を軽くするのが主作用で、本来の目的以外の部分への負の効果が副作用です。

高血圧や糖尿病、高脂血症や脳卒中の生活習慣病の75歳以上の64%が5種類以上の薬を毎日飲み続けていて多剤服用に対する副作用について。

①睡眠薬と抗うつ剤
患者全体の28.8%が不眠で睡眠薬を服用しています。
ただでさえ飲みすぎると集中力低下の副作用が現れるのです。
睡眠薬を飲み始めた当初は、すぐ効果が現れますが、1ヶ月もすれば効かなくなり、増量してもすぐ身体が慣れてしまいます。
しかも不眠のストレスから無気力で、ふさぎがちになり、食欲も低下してうつ症状を発症します。
抗うつ剤との飲み合わせで「過鎮静」の症状が現れて、脳が正常に機能しなくなり、歩行困難から寝たきり生活になる可能性もあります。
②降圧剤と糖尿病薬
高血圧を改善する降圧剤に「β遮断薬」の血糖値の上昇を抑える薬を併用すると、薬が効きすぎて低血糖に陥り昏睡状態になり最悪、死に至る事もあります。
③利尿剤と尿酸値低下剤
利尿剤は高血圧を緩和する為の降圧剤として使われていますが、心筋梗塞などの心疾患の再発予防にも用いられていて、利尿剤を飲むことで体内に溜まっている水分やナトリウムは体外に排出され、心臓の負担は軽減されますが「サイアザイド系」の利尿剤を飲むと副作用で尿酸値が上昇して、それを抑える為に尿酸値低下薬が処方されています。


利尿剤と尿酸値低下薬は、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心不全を誘発する危険性があります。
心臓病治療の為、利尿剤を飲み始めたばかりに、尿酸値低下薬を飲まなければいけなくなり、その結果新たな心臓病にリスクを抱えてしまう事もあります。
この様に、ある病気を治すために処方した薬によって副作用が起きているのです。

④胃薬と鎮痛剤
年齢を重ねると腰、膝などの関節痛の為に鎮痛薬を処方されますが、胃が荒れて胃潰瘍の原因になりその症状を和らげる為に胃酸分泌抑制剤が処方され、長期間服用すると、大腸粘膜に炎症が起こり下痢が起こる可能性があります。
⑤認知症薬と精神安定剤
認知症薬は短期記憶の低下を抑える目的で処方されます。
精神安定剤は周囲の人に対して攻撃的になったり、夜間イライラして暴れる様な症状を抑える為に処方されるもので、ボーっとして、うつらうつらしながら、椅子に座っているのは、複数の薬による過鎮静の1つとも考えられます。
生活習慣病を治すために飲んでいたはずの薬が新たな投薬を呼び込み、気付けば完全に薬漬けになっている可能性もあります。

医師、薬剤師に相談してみてください。

私の考える噛み合わせと減薬

噛み合わせ治療による症状変化
①自律神経が調整される事で、ドライアイ・ドライノーズ・ドライマウス・睡眠の質・精神の安定・胃弱症状・便通症状の改善が認められる。
②姿勢の歪みの是正による頭・首・肩・腰・膝痛の改善
③血流の改善による、しびれ・マヒ感の改善

上記症状に対する症状改善を双方で確認後、減薬する事は可能です。

投稿者:池上 孝

2020年03月16日

オーラルフレイルと介護、認知症の予防について

フレイルとは、健康と要介護の中間の状態を言います。
オーラルフレイルとは、噛めない、食べこぼし、滑舌が悪い、ちょっとの事でむせたり、口が乾く等の些細な口の機能の低下した状態を言います。

オーラルフレイルはフレイルの原点です。
高齢者で入れ歯・ブリッジ・インプラント等で満足できていますか?
痛い・咬めない・外れやすい・しっくりこない人は多くて、原因不明で身体に不調を訴えて医者回りを繰り返し、薬物療法や東洋医学療法、漢方薬やサプリメントに頼っている人も多いと思いますが、それで満足できていますか?
ほとんどの人は「年のせい」と諦めていませんか?
機械でも長年使い続けるとどうなりますか?
金属はすり減って、金属疲労も起こしますが、機械は部品交換で改善します。
しかし人間には部品がありません。
歯も短くなり骨も関節もすり減って身体も縮んで噛み合わせも低く低くなり、頭は傾き、姿勢も身体の歪みにより猫背となり、腰、膝の左右に大きな負担がかかり、左右のバランスが狂い、足も引きずり痛みとなっている可能性があるのです。
また、顔の長さも縮み、口角は下がり、口唇は薄くなって、ほうれい線ができ、いわゆる老人の顔になっているのです。
手術でメスを入れる前に噛み合わせを考えてみませんか。
メスを入れるのはその後でも良いのではないでしょうか?
噛み合わせ不良で目の奥の前頭葉眼窩皮質部の血流の低下が、うつ、認知症やパーキンソン病に関与していると言われています。
その原因は入れ歯、ブリッジ、インプラント等の高さに関係が深いのです。
そこに歯の「噛み合わせ」が関係しているのです。

投稿者:池上 孝