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歯の噛み合わせ

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2012年04月27日

夜間頻尿とメラトニン

夜間頻尿とは、夜間に2回以上排尿があり治療が必要と言われて睡眠障害と密接に関係しています。
夜間排尿は年齢とともに増加し、60歳以上の高齢者の約半数が夜間頻尿で困っています。
特に高齢者に多く、トイレに立って転倒の危険もあり、骨折により寝たきりに移行する可能性もあります。
夜間頻尿の人は1回以下の人と比べて転倒による骨折が2倍と言われて、5年後の生存率は夜間頻尿なしの人が96%だったのに対し、夜間頻尿の人は90%と生存率が下がっているとの報告もあります。
原因は尿を溜める膀胱の容量が減ったり、男性なら前立腺肥大症、尿意切迫感のある過活動膀胱。
女性では間質性膀胱炎が考えられます。
治療法として薬物療法やサプリメント等があり、その他尿道をぎゅっと締める行動療法もあるそうです。
一番簡単な予防は過度な水分摂取を避ける事です。
膀胱容量を減らす一因として、老化を伴う血中メラトニンの低下に注目がされています。
自然な眠りを誘導するメラトニンは、海外では安価なサプリメントとして普及していますが、日本では承認されていません。
そのほかの方法の一つとして、メラトニンの内服ではなく、咬合治療により、脳の中の松果体から3倍のメラトニンが増加するとの報告があります。
睡眠障害の夜間頻尿も体内からの眠りのホルモンであるメラトニンが増加することにより、深い眠りを得られる事で健康を取り戻す事も可能なのです。
夜間頻尿は死亡に関連する病気の初期症状の可能性がある。


投稿者:池上 孝

2012年04月06日

咬合治療による膠原病患者へのアプローチ

この度、6月に日本全身咬合学会で発表する事になりました。
以下、抄録です


咬合治療による膠原病患者へのアプローチ
~線維筋痛症を伴った3症例~

池上 孝1)2)    池上 誠1)3)    黒住 忠正1)4)     荻原和彦5)6)7)

1)岡山健康と咬合を考える会     2)池上歯科医院     3)いけがみ歯科クリニック    4)黒住歯科
5)日本健康機能美歯科研究所      6)日本顎態調和研究会  7)荻原歯科

はじめに

線維筋痛症は検査をしても器質的な異常が見つからず、病名もなかなかつかなくて、整形外科、リウマチ科、ペインクリニック、神経内科などを転々とし、ドクターショッピングを繰り返している。
原因不明で筋肉や周囲の骨、筋肉などの全身に激しい痛みが持続し、隋伴症状として不眠、うつなどの精神症状、過敏性大腸症候群などの自律神経失調症を伴う。
しばしば膠原病などの自己免疫疾患も併発する。
その疼痛は歯根膜という高性能センサーが微細な歯の歪みを正確に感知することに連動して脳中枢が過敏になると脳で大きく拡大され、線維筋痛症の症状として現れている。
又、線維筋痛症の90%以上に顎関節症症状が認められて、そのうち40%は、線維筋痛症診断前に顎関節症治療を受けているとの報告もある。

咬合治療により患者自身が全身の健康を回復した事実は、いずれ科学によってエビデンスは確立される。
今回、医科と連携して症状が改善した線維筋痛症で膠原病を併発した患者について発表する。

診断並びに治療法
‐診査法‐
・健康調査質問表
・頭痛の問診表
・ノイロメトリー
・池上の全身圧痛点
・ゾーンクイック(涙液量検査)
・左右体重計測計
・重心重揺計
・握力計
・背筋計

‐治療法‐
・池上式スプリント
Oリングテストで4㎜、0.5㎜のバイトゲージを用いて咬合高径を決定後、池上式スプリントを用いて微調整を繰り返し、全身の症状改善の消失の確認、診断を行う。

今回、3症例を通して臨床診断法での咬合治療の結果を、一部動画を用い本人の感想を含めて発表する。


【症例】
●主訴:顎関節症
26歳 女性 有歯顎
3年前から、首・肩から手足までのしびれ、全身痛くて何もしたくなく、顎関節症状もあり、薬物療法でも症状改善せず、ドクターショッピングを繰り返し医療不信に陥り、歩行困難で来院、池上式スプリントで約4.7mm挙上。
一ヶ月後に約5割の症状改善を認めている。

●主訴:口渇
61歳 女性 上下義歯
3年前からシェーグレン症候群と全身痛が主訴で対症療法も効果がなく、シェーグレン症候群と線維筋痛症との診断でリウマチ科より紹介される。
ドライアイ、ドライマウスで、針で刺したような痛みと、のどが弱く、口の中がひっつく感じで、朝方咳込み、物を持つと ひじ、膝、足底も痛く、イライラして気分が落ち着かなく、疲れやすい精神状態も伴っている。
池上式スプリントで約、7.6mm挙上。
約6カ月総義歯にて約5~7割の症状を改善されているが、医科での投薬の減少はない。


●主訴:足のしびれ
61歳 女性 有歯顎
平成21年1月に首筋に激しい凝り、左目が充血、左耳難聴で、3月に左足疼痛で歩行困難になり、ステロイド投与も効果なく、体重激減し、車椅子で寝たきりになるのかと不安を抱き、人生に失望を感じ来院。5月より池上式スプリントで約7.3mm挙上後、ステロイドからも解放され、6月下旬に咬合治療完了後、人生に光を見出せた。

まとめ
膠原病、線維筋痛症の患者に対して咬合治療が有効である事が示唆された。
これからの歯科の在り方を示す症例である。


略歴

池上 孝
昭和16年11月3日生まれ

1941年 11月3日 生まれ
1966年 3月    大阪歯科大学卒業
1966年 4月  大阪歯科大学付属病院 口腔外科副手
1967年 3月  大阪歯科大学付属病院 口腔外科助手
1970年 5月     岡山市北区中山下 池上歯科医院開設


所属学会
日本全身咬合学会
日本鍼灸学会
日本良導絡自律神経学会
日本頭痛学会

資格
日本全身咬合学会 認定医(平成15年1月27日)
             指導医(平成16年5月2日)
          認定研修施設(平成17年4月25日)
日本良導絡専門医 (平成9年7月29日)
全日本鍼灸認定医 (平成13年4月1日)


役職
日本全身咬合学会評議員(平成14年4月1日)


投稿者:池上 孝

2012年04月04日

たかが歯、されど歯

今迄の歯科は歯だけ見てきたのですが、これからは一歩下がって身体全体を見る事(姿勢)で、その人の健康状態を知る事が出来、健康を取り戻す事が出来るのです。
それが歯の噛み合わせなのです。
元気がなく、疲れやすい、イライラする、うつ等の身体や精神の不調、不眠、頭痛、眼精疲労、首、肩こり、腰痛、膝痛、鼻炎、アレルギー、耳鳴り、便秘、下痢、胃腸等いわゆる不定愁訴(病気ではない病気、未病とも言う)で困っている人は、国民の約30%はいると言われています。
これらの人々は、各種の検査を行っても異常は認められず、その為にドクターショッピングを繰り返している人も多いと思われます。
そのような未病状態は歯の噛み合わせと深い関係があると、最近マスコミ等によって取り上げられてきています。
下顎は筋肉、靭帯で頭に固定され、ぶら下がっています。
下顎の位置が低かったりずれていると、頭の位置がずれたり、傾いたりして、背骨が曲がり、姿勢が悪くなり、身体のバランスを崩し、諸症状を引き起こしているのです。
噛み合わせ治療で、正しい下顎の位置に固定することで、姿勢は良くなり、不定愁訴が改善、消失され、健康を得られるのです。
噛み合わせ治療で健康をとり戻す事もあるという事を知って頂いて選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか?
“たかが歯、されど歯”

投稿者:池上 孝