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歯の噛み合わせ

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2008年03月31日

咬合調整

噛み合わせ治療とは、噛み合わせの運動がスムーズに行われて、なおかつ、身体の症状の改善を図るもので、2つの方法があります。
1つは、歯を削って調整する方法です。
大切な自分の歯を直接削って、身体の症状が改善されれば問題はないのですが、万が一効果がなかった場合、噛み合わせは低くなり、顎の位置はズレ、その結果として身体が歪んでしまい、元の噛み合わせの状態に戻す事は決して出来ない不可逆的方法です。
事前に模型等でしっかりした、綿密な計画と診断を付けて、最後の方法と考えて、安易に行うべきではないと思います。
2つ目はスプリントを用いて高くする方法です。
一時的にスプリントで噛み合わせを高くして、そのスプリントを削って調整を行いながら、身体の症状改善を確認して、短期間で診断する方法です。
この方法は、患者さん優先で、10人のうち3人位は違和感等で、次の3人位は色々と思考されて中止されます。
結果の出るのは約4人位です。中止された6人に対して噛み合わせの治療を強要する事は絶対にありません。
スプリントを装着して、噛み合わせを変えた時の身体症状の改善が、スプリントを外した時に、その改善された症状が再現されれば、間違いなく噛み合わせに起因するものですね。
その症状の改善が、患者さん自身にとって大切であるか否か、自分自身で診断してもらい、診断が付いてはじめて治療に移行するものです。
私の5年間の噛み合わせ治療率を提示します。%E5%92%AC%E5%90%88%E8%AA%BF%E6%95%B4.png

投稿者:池上 孝

2008年03月24日

ドクターショッピング

医師は患者の訴えや、検査結果で病気と判断します。
また、患者が病気として自覚していなくても病気として判断する事もあろうかと思います。
現代医学の高度化、細分化により、医師は身体症状、原因が他の領域にある事に気付かず、自分の専門領域にこだわり、検査結果に異常が認められなければ、「気の持ちよう」「気にし過ぎ」「年のせい」として片付けます。
患者ははっきりとした自覚のある身体症状を認めている為、そんな事はない!!と、別の医師、病院へと次々と渡り歩くドクターショッピングを始めます。
医師は、患者が複数の身体症状を持ち、検査結果でも病気として確認出来ないものを、「~症候群」として診断します。
例えば自律神経失調症、すなわち自律神経がバランスを崩すという原因があって、身体に症状が出るという結果が出ているのが不定愁訴です。
この、不定愁訴こそが、「~症候群」である。
これからは、「~症候群」に対し、全人的医療(ホリスティック医療)として捉える方向に行くべきだと思います。すなわち“疾患だけ”を診るのではなく、“その人”を総合的に診る事ではないでしょうか?
歯科の立場で見ると、噛み合わせ治療でも「歯を診る」か、「歯で診る」かの違いであり、歯を診るにしても、一歩下がって、複点をその人を全身的に診る事により、視界はもっともっと広がり、原因不明のドクターショッピングという苦しみから救う事も可能になると思います。
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投稿者:池上 孝

2008年03月17日

更年期障害

40歳後半から、50歳代の女性は、「少し年を取ってきた」と言う事以上の身体的激変期を迎える「更年期」というものがあります。
この時期卵巣機能の低下が始まり、ホルモンのバランスが崩れる事により、さまざまな精神的、身体的症状、いわゆる「更年期障害が出る可能性があります。
脳にある視床下部から下垂体卵巣ホルモンの分泌異常により、視床下部や下垂体がパニックを起こして、脳の中が混乱状態に陥り、頭痛、肩コリ、息切れ、動悸、めまい、ほてり、のぼせ等…身体の不調を訴えます。
その為、病院巡りのドクターショッピングをしても「異常ナシ」で、「更年期障害」の病名が付き、多くはホルモン補充療法、漢方薬等を処方されています。
投薬による、更年期障害の症状の改善、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や、動脈硬化の予防等のメリットはありますが、長期投与による乳ガンの発生率が高まったり、子宮内膜症や、子宮筋腫、肝機能低下のデメリットもあります。
女性が精神的に最も充実しているのは、排卵前後にセロトニン量が多く出るこの時期なのです。
更年期、生理前後や産後はエストロゲンが急激に減少し、それに伴ってセロトニンの受容体が少なくなって、うつ状態になると言われています。
噛み合わせ治療により、脳の視床下部に何らかのメカニズム等の神経伝達物質に変化が現れ、更年期障害の症状の緩和に関与していると言われています。


投稿者:池上 孝

2008年03月13日

アイバンクへ愛の光を…

日本全国のアイバンク登録者数は過去3年間の平均19,643人、献眼者894人、利用個数1,445個、待機患者数は4,345人なのです。
登録者の22%の人が献眼されていて、待機患者の28%の人が献眼を受けているのが日本の現状です。
皆様は、岡山県下の年間献眼者数をご存じですか?
過去5年間、平均5.4人で、アイバンク登録患者はH20年2月末で30人です。
移植を片眼ずつと考えると、このままで推移しますと約3年かかりますね。
アイバンクはドナーカードに登録していなくても、ご家族の了解さえあれば、提供は可能なのです。
提供するかしないかは、個人の意志で行うもので、強制されたり、頼まれたりするものでもありません。
とはいっても、万が一の際にはご家族は悲嘆に暮れ、なかなかアイバンクの事など思い出さないものです。
角膜は、近眼、老眼、網膜などの疾患で、目の不自由な方でも、提供は可能なのです。
年齢制限もなく、6時間~10時間以内なら提供は可能で、摘出後は義眼を装着して、元の状態に修復されますから、全く外見上の変化はありません。
献眼する事で、角膜移植が出来て、暗闇の人生を送っている人々に光を与えられて、ずっと喜んでもらえるのです。
しかもこの地球上のどこかで体の一部分がずっと存在し続けて、その角膜でこれからの未知の世界を見続ける事が出来ていると考える事で、残された遺族の方々も、悲しみから少しは救われるのではないでしょうか?
どうか目の不自由な方の為に愛の光を与えて頂きたいと思います。

投稿者:池上 孝

2008年03月10日

歯ぎしり

歯ぎしりは、噛む為の筋肉が食事中でもないのに無意識に異常な動きをする異常運動を指します。
その数は日本人の300万人と推測されます。
歯ぎしりは、ガムを噛む時の数倍から数十倍の圧力がかかっている為に歯・アゴの骨、筋肉、顎関節に破壊的に作用します。
歯が削れる(摩耗)、割れる、痛む、しみる(知覚過敏)、顎関節症、頭痛、首・肩コリ、腰痛、眩暈(めまい)、耳鳴りなど様々な原因となります。
睡眠時無呼吸の発現や心拍の乱れなど、自律神経系の機能に影響を与えている事が多いのです。
健康な人は普段、上下のアゴの歯は安静状態で2㍉位、離れているものです。
食事の時の咀嚼(そしゃく)で瞬間的に歯と歯が接触する事と、つばを飲み込んだ後(20分に1回の割合)に必ず歯を噛んでいます。
1日で10分~15分位しか歯は接触していないのです。
歯ぎしりをする人は一晩に40~45分長い人で2時間位しています。
人は誰でも重い物を持ち上げたり、スポーツや仕事や物事に集中している時は歯を食いしばります。
病的な食いしばりは、仕事中、デスクワーク、何かに集中している時、睡眠中に無意識で食いしばっています。
原因は癖、心因性、ストレスによるもの、歯の詰め物が合っていない、病気によって筋肉の緊張状態が起こっている時、噛み合わせは狂ってきます。
歯ぎしりに対して、噛み合わせ治療での、スプリント療法が、有効で的確な方法だと思います。

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投稿者:池上 孝

2008年03月03日

呑気症(噛みしめ症候群)とスプリント療法

人間は安静時には上下の歯は離れていますが、奥歯を合せて噛み締めると、舌が上あごに張り付き(密着)、喉の奥に唾液と空気(2~4cc)がたまってきます。
呼吸とは関係なく、このたまった唾液が舌の上を伝ってゴクリと喉を動かして飲み込みます。
この様にして、空気をどんどん飲み込むと、喉、食道、胃に空気がたまってきて、それが逆流してゲップがでてくるのです。
また、喉や食道の違和感、胃の不快感や痛み、上腹部の膨張感が起こります。
さらにその空気が、小腸を通って大腸にたまると、おならが出るようになります。
この噛みしめは、歯ぎしりとは違い、寝ている時ばかりではなく、むしろ起きている時の方が多いと言われています。

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呑気症の方は、噛みしめている時間が長い為、噛む為の筋肉を中心に、疲れさせ、眼痛、頭痛、肩コリ、顎関節の様な随伴症状を伴います。
そこで、呑気症の方は胃腸科等を受診して、検査を受けても「異常ナシ」と言われる事が多く、依然として症状が消えない為に、心配で病院めぐりのドクターショッピングが始まります。
こうした症状の呑気症はストレスが多い方、神経症の方、うつ状態の方がなりやすいと言われています。
これらの方は不安や緊張から歯を噛みしめる回数が多くなる為に、発症しやすいと言われています。
治療法の一つとして、スプリント(マウスピースの様なもの)を用いて、一時的に噛み合わせを変える事(スプリント療法)で、筋肉の緊張が和らぎ、頭位が変わり、姿勢までも変わり、呑気症を始め、多くの随伴症状と思われる不定愁訴の緩和が見られるかどうか、御自分の身体で診断してみるのも、一つの方法ではないでしょうか?

投稿者:池上 孝