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歯の噛み合わせ

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2010年05月31日

睡眠の友「メラトニン」

人間が夜になると眠くなるのは、脳の松果体から分泌されるメラトニンが関係しています。
このメラトニンは、明るいと少なくなり、身体が活発になり暗くなると多くなり、身体は休養に向かいます。
夕方になるとメラトニンは増え始め、午前2時から3時位がピークになり、その後朝7時ごろを目指して減少し、朝から日中は少量しか存在しません。
メラトニンの分泌は、体内時計に支配されているため、朝の明るい光によって調整されるので、夏は冬よりもメラトニンの出現が1~2時間早くなります。
新生児は生後3カ月までごく少量のメラトニンしかい生成しません。
乳児が昼と夜の区別がつかず夜泣きするのも、メラトニンが少ないからではないかと言われています。
松果体が7才位までによく発達する為、6~7歳ごろのメラトニンの分泌量が最大になります。
11歳ごろから急激に減り始め、夜型の生活がメラトニンの分泌を制御した為に、生理が始まる年齢が低下している原因といわれています。
メラトニンの分泌量は年齢を重ねるほどに減少して、50才ごろには半分に減少すると言われています。年よりが長時間の睡眠をとれなかったり、深い眠りに入れないのは、メラトニンの減少が原因だと言われています。
メラトニンの分泌量を増やすには、メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンを経て合成されるから、トリプトファンを多く含む赤みの魚(サンマ、マグロ)肉、大豆、乳製品、くるみ、ゴマ、ふ、落花生など食べるようにする。もう一つ歯の噛み合わせ治療により、メラトニンが3倍に増加するとの報告があり、実際に咬合治療により、良い結果を得ています。

次回は夜間の頻尿とメラトニンについてです。

投稿者:池上 孝

2010年05月24日

生活習慣病と不眠

不眠はうつ病などの精神疾患、脳梗塞の原因である動脈硬化、高血圧、糖尿病の生活習慣病と密接的な関係があると言われています。
不眠がある中年男性の8年後の2型糖尿病リスクは約2~3倍、12年後はや約4.8倍という報告があります。
睡眠時間が短いほど、動脈硬化になるリスクが高く、7時間以上8時間未満が糖尿病、高血圧の発症が最も少ないというデータもあります。
短すぎるのもよくないが、長すぎるのも良くなくて、不眠が続けば続くほど生活習慣病のリスクは高まります。
人間の睡眠時間は6~9時が健康的と言われています。一般的に1日の睡眠時間が6時間未満で平気な人を、「ショートスリーパー」と呼びます。それぞれ人々の5~10%程度といわれています。
ナポレオンやエジソンで代表される、ショートスリーパーの人は、ストレスが少なく、悩まない外向的、自信家で脳の疲労が少なく、アインシュタインで代表されるロングスリーパーの人はストレスが多く、よく考える内向的、神経質で脳の疲労が少ないと言われています。
睡眠に問題がある人は現在健康状態が正常でも、数年後には問題が出てくる可能性があります。
予防法には、一般的にいわれている適度な睡眠をとることはもちろん、1日60分以上歩くこと、喫煙、脂肪摂取量を減らすことを心がけることが大切です。

次回は睡眠の友「メラトニン」についてです。

投稿者:池上 孝

2010年05月17日

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と総義歯の夜間の装着について

日本人のOSASは人口の1%(120万人)以上、さらに習慣性いびき患者は13%(1600万人)以上と言われています。OSASは眠っている間に呼吸が止まったり、いびきをかくだけでなく、多彩な症状を呈し、それが社会生活にも重大な影響を及ぼす疾患です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の閉塞部位は、上気道で軟口蓋(特に口蓋垂部)、舌根部の後方への変位、咽頭部後壁の前方への突出等が考えられます。
夜間の睡眠中に眠りが浅くなり、睡眠不足を生じて倦怠感や集中力低下が原因で性格の変化(うつ状態)、労働力・学習能力の低下をきたしQOLの低下を招きます。
さらに動脈硬化を促進させ、高血圧、心不全、脳卒中、冠状動脈疾患と関連して寿命を縮めると言われています。
睡眠時に総義歯を70%の人が外していて、OSASの発生率は約80%で他の高齢者より高い可能性が考えられます。
総義歯を外すことで、下顎の位置が不安定になり、舌の位置が変わり上気道が閉鎖される可能性が考えられます。
総義歯を装着することは、下顎、舌、軟組織位置の変化、咽頭気道のスペースの変化が回復することでOSASの70%位改善されると考えられます。
ここで言う総義歯とは、咬合治療でその人に最も適した高さの顎の位置の総義歯を指すものです。
睡眠時に義歯を装着することにより、深い眠り(ノンレム睡眠)を得ることに繋ということを知って頂きたい。

次回は生活習慣病と不眠についてです。

投稿者:池上 孝

2010年05月10日

むずむず脚症候群

レストレス症候群(むずむず脚症候群)という病気をご存じでしょうか?
医師でも認知度が低い病気で、欧米では人口の約10%が羅患しているといわれている。日本では3%前後で、推定200万人の要治療患者がいるといわれています。
脚を動かさずにはいられない欲求が生じる疾患で「脚静止不能症候群」とも言います。
虫が這うようにむずむずする、静脈の中で炭酸が泡立っている、電流が流れている、ほてっている、骨がかゆいなどと、表現は様々です。(下肢異常感覚)
睡眠不足をはじめとして、QOLを著しく低下させる奇妙な病気、下肢の異常感覚。
異常感覚は横になったり座っている時など安静時に起こり、長時間じっとすることができない。
こうした異常感覚は、叩く、さする、歩き回る、足踏みする等の運動によって改善され、日中より夕方、夜間に症状が強く現れます。
夜寝ていても脚がピクンとして目が覚めてそれっきり眠れなくて、睡眠不足で昼間眠くなる。命にかかわる病気ではないが、QOLを下げる病気。
脳内の神経伝達物質「ドバミン」の機能障害で鉄が関係しているという説が有力です。
鉄が不足するとドバミンがうまく合成されない為に、症状を引き起こしているのではないかと考えられます。
治療は軽度であればカフェイン飲料、アルコール、ニコチン等を控えて、就寝前にストレッチ体操をする、等の生活指導。
症状が進行すると、パーキンソン病の治療剤のドーパミン前駆薬等の薬物療法。
噛み合わせとドーパミンとの関係はまだ不明ですが、可能性は0ではないと考えています。噛み合わせ治療により、前頭葉の眼窩皮質の血液が増加することでドーパミン、セロトニンが増加するとの報告もあり。



次回は睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてです。

投稿者:池上 孝

2010年05月02日

原因不明の腰痛でお悩みの方へ

人間の背骨は、骨盤の上に一本の柱のように突っ立っていて、これが頭と腕の重みを首と肩と腰と膝で支えています。
そして、頸椎、背骨(脊椎)、腰骨(腰脊)がゆるい曲線を描いて、首や肩や腰にかかる重みが分散されてバランスをとっているのです。
人間は2足歩行で、最上部に重い頭があり、頭の位置がその人の姿勢を決めているのです。
その頭の位置を決めているのが、歯の噛み合わせなのです。
長年歯で噛むと、歯は擦り減ったり、抜けた結果として、噛み合わせが低くなり、その結果下顎の位置が後に引けて、頭は前方、又は左右に傾斜しますね。そこで2足歩行で姿勢を保つために背骨や腰を曲げてバランスを取っているのです。
悪い姿勢になると頸椎はズレを生じ、脊椎は湾曲して、脊椎と骨盤を連いでいる仙腸関節の仙腸靭帯や腸腰靭帯に歪みを生じ、神経が圧迫され腰痛の原因を生みだしています。
又、脊椎を中心とする骨格は、骨盤を底辺として内臓を支えているから、身体の全体的な歪みや不具合は内臓全体の機能や体の不調にまで影響を及ぼしている可能性があるのです。
内科、外科、整形外科での診察の結果は、“特に異常は認められません”の答えしか返ってこなくて、鍼灸、カイロプラクティック、マッサージ等、対処療法に救いを求めてみるけれど、治癒には至らず、そのまま我慢して「一生付き合っていくしかない」「年のせい」でもがき苦しんで救いを求めて最後には心療内科等で対応している人がおられると思います。姿勢の改善、腰痛の軽減に歯のかみ合わせが大きく関係していることを知って頂きたいと思います。
この方法は、治療ではなくてマウスピースを口の中に装着してどうなるかを、自分自身で見て診断して頂くもので、入院はしない、手術もしない、薬は飲まないから副作用はありません。
多くの改善例を得ていますが、まだエビデンス(科学的根拠)は得られていませんが、いずれはエビデンスは確立するものと確信しています。


岡山全身と咬合を考える会
池上歯科医院
池上 孝


次回は、むずむず脚症候群についてです。

投稿者:池上 孝