お問い合わせ先
岡山県岡山市中山下1-5-38
池上歯科医院
TEL:(086)-231-0086
FAX:(086)-234-2999

歯の噛み合わせ

TOPページ>>歯の噛み合せ

2008年07月28日

誤嚥性肺炎と微量誤嚥(不顕性誤嚥)

1975年以降の日本人の死因の1位がガン、2位が心疾患、3位が脳血疾患、4位が肺炎です。
若年者や健常者では肺炎に対して、咳反射や防御反応が働いているのであまり問題はありません。
2005年の肺炎による死亡数は100,724人でその9割以上が高齢者で、その原因は嚥下能低下による誤嚥性肺炎です。
70才を超えると死亡率が急増していますが、特に80才以上では10万人に対し1,200人を超える高い死亡率です。
70才以上の肺炎の原因細菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、等の口腔内の常在菌が高率で検出されています。
これは高齢者の多くが嚥下反射、咳反射の機能の低下しているため、唾液や上気道分の泌分が夜間睡眠中に本人も気づかないうちに繰り返していることが多いからです。(マイクロアヌピレーション)
そして咳込んだり、むせたり、することがなく、しかも自覚症状が少ないことから不顕性肺炎(サイレントアヌピレーション)と呼ばれています。
夜間義歯を装着することにより、予防的効果が期待できると思うのですが・・・。

303.jpg

投稿者:池上 孝

2008年07月22日

胃炎は気か機か器の病気か?

 胃炎には消化性潰瘍や、胃癌などの自覚症状を訴える器質的疾患を認めるものと、胃酸分泌異常(亢進あるいは低下)胃排出能の低下、噴門部適応性弛緩能の低下などの、胃・十二指腸運動機能の異常、胃や小腸の内臓知覚の異常、ピロリ菌などの細菌やウィルス感染による胃粘膜の炎症などの多くの因子が考えられる機質的疾患や、ストレスなどの心因的要素の疾患も考えられます。
 人間の胃の快適さは、生理的に分泌される、適度な量の胃酸、更にその適切な胃から十二指腸への排出で、正確にコントロールされています。
食物は摂取後に噴門部に貯蔵され、少しずつ幽門側の送られ、収縮運動により粉砕され、胃液と攪拌(かくはん)され、粥状になり、十二指腸に送られます。
我々が食物を美味しく、満腹感なく食べられるのは、適度に噴門部が拡張していくからであります。
その拡張能が低下すると、少量の食物でもすぐに満腹感を感じ、食欲は低下します。
スキルス胃癌が噴門部に発生すると、食直後に満腹感を訴える事に類似しています。
また、知覚過敏は噴門部拡張能の異常を伴って、胃内で健康な人ではまだ感じない少量の拡張で、すでに膨らませた感覚があり、不快感や痛みを感じます。
器質的な胃炎では、痛みを中心とした潰瘍型は胃酸分泌の亢進が関与している事が多いので、胃酸分泌抑制剤を選択されます。
機能的な胃炎では、胃もたれなどの停滞感を中心とした運動不全型は上部消化管の運動機能異常が関与していると考えられているので、消化管運動機能調節薬を選択されます。
非特異型は、心因、精神的因子が強いと考えられるので、心身医学的治療や、向精神薬を第一選択とされます。
私見ですが、ピロリ菌の除菌は中等度以上の委縮性胃炎、すなわち胃酸分泌が低下している症例では症状の改善に有効です。
慢性胃炎と言われた病名は、心窩部痛、胃部不快感、胃もたれ、吐き気などの上部消化器症状を訴えて(検査をして胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)原因となる疾患がない場合、機能性胃腸症(FD)と病名が変わりつつあります。
器質的胃炎以外の気と機の胃炎に対して、噛み合わせ治療は何らかの形で関与していると考えています。近い将来、医科歯科連携出来れば・・・と思っています。

川崎医大  春間 賢教授より

041.JPG

投稿者:池上 孝

2008年07月14日

線維筋痛症 [Fibro Myalgia Symdrome ( FMS)と噛み合わせ]

 原因不明な全身的な強い痛みで心身とも苦しんでいませんか?
 外傷も無い為に、痛みが理解されず、しばしば怠け病や仮病、詐病と周囲に誤解されて、仮面うつ病、更年期障害、神経症、自律神経失調症と誤診される場合も多いのではないでしょうか。
 膠原病や、リウマチ症状が似ている部分もあり、慢性疲労症候群、膠原病、リウマチ等を併発する事もあります。
 精神的、身体的ストレス、気候・環境により、疼痛箇所が移動したり、疼痛レベルが変化する事もあります。広範囲に及ぶ痛みが3ヶ月以上続いていて、全身にある18ヵ所の圧痛点(ツボ)で11ヵ所以上の疼痛を感じ、左半身、右半身、上半身の疼痛と、頚椎、前胸部、腰部など、体軸の広範囲の疼痛と、部分的で限局した疼痛を訴えます。
 痛みの種類は普通の人が日常経験する痛みと異なり、“電気が走る様な痛み”や、“ガラスの破片が流れるような痛み”更に症状が重くなると、髪や爪に触っただけで痛みが走り意識がもうろうとなり、筋力の低下、運動神経の低下、筋肉の激しい疲労、関節痛、重度では、立ち上がれない、起き上がれない、などの症状の為に、寝たきりになり、日常生活ですら、困難になるとも言われています。
日本での有病率は人口の約1.7%で、患者は約200万人と推定されています。
全体の75%以上が女性で20~60歳の中高年の発生率が高いと言われています。
日本では25~30%の一般医しかこの病名を知らず、線維筋痛病と診断がつくまでに6~8軒の病院を回る(ドクターショッピング)とも言われています。
自覚症状は、首から肩にかけての痛みや、しびれ、腰、背部の疼痛や、こわばり感、腎部から太ももの痛みと張り感、膝から下腿の痛みやしびれ、眼の奥の痛み、ドライアイ、口腔の痛み、頭痛等の様々な疼痛症状が起こります。
随伴症状として、不眠、疲労感、頻尿、下痢、生理異常、過敏性腸炎、微熱、筋力の低下、運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、ムズムズ脚症候群、起き上がれない、歩けなくなるなどの、身体症状を訴えます。
悪夢、焦燥感、不安感、憂鬱感、理解力、思考力の低下、集中力欠如などの精神症状もあります。 現在のところ、原因は不明で、事故、外科手術、歯科治療、肉体的、精神的ストレス、妊娠、出産、ウィルス感染、風邪などの多様な痛みがきっかけで、発症しているのではないかと言われています。
 アメリカでは、中枢神経系及び、末梢神経系の機能異常ではないかと考えられています。
治療法は、まだ確率されていませんが、抗炎症剤、精神安定剤、抗うつ剤の投与されている様ですが、また、ステロイド剤は効果がないという論文もあるそうです。
 他に、軽い運動、指圧、マッサージ、カイロプラクティックは一般には有効と言われています。
生命にかかわる病気ではなく、通常数ヶ月から、1~2年で症状が改善されるケースもあります。
 歯科治療後に発症したものであれば、噛み合わせ治療も選択肢のひとつに考えてみてはいかがでしょうか?

投稿者:池上 孝

2008年07月12日

1年記念に表紙を変えてみました!!

はや、このブログを始めて、1年が経ちました!!
振り返ってみると、色んな「ひとりごと」を書かして頂きました。
そして、このページを通じて、たくさんの方との出会いもあり・・・と思いふけっていた所、そんな時に、写真を提供して下さった、高原千春さんからメールが届きました。

6月13日に撮影してきたばかりです。
ハナタツナミソウ・・・この花は、シソ科、タツナミソウ属で図鑑によりますと、中、四国にあり、数も限られているそうです。タツナミソウの中では花も大きく、群生して咲いている様は鮮やかで目を惹かれます。

とメールを頂いたのです。本当にありがとうございました。
最初に載せていたナツエビネも貴重な花だとか・・・(前ブログに書きましたが)
もったいない気持もありますが、こうして撮って来て頂いている事だし、1年を記念して、思い切って表紙を変更する事にしました♪
そして、このホームページを読んで下さっている皆さん、ブログの感想でも、わからない専門用語の意味、何でもいいので、メールなどご意見下さいね。
読んで下さっている方の少しでも、力になれたら・・・と思っております!!
%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%82%BF%E3%83%84%E3%83%8A%E3%83%9F.jpg

投稿者:池上 孝

2008年07月07日

Barrett(バレット)食道の発生機序

バレット食道は食道腺癌の前癌病変と考えられます。
発生機序は胃液の食道への逆流により、発生する粘膜の傷害が原因と言われています。
一般的に逆流性食道炎のうちで長期に経過したもの、あるいは重症型がバレット食道に移行すると考えられています。食道粘膜が障害を受け、その再生過程でバレット食道が発生すると考えられております。
原因として、胃酸、あるいは胆汁や、膵液(すいえき)などの傷害物質を含む、混合胃液や、アルカリ性の十二指腸液が食道への逆流が食道粘膜により、傷害性を持ち、食道の癌化に関わっている事が指摘されています。
個体のリスクとしては、男性に多く、食道裂孔ヘルニアの存在、喫煙、飲酒、肥満などの固体、環境因子も関与しています。
逆流性食道炎患者のピロリ菌感染率は低く、バレット食道でピロリ菌感染率は低いと言われています。
バレット食道の発生に下部食道括約筋や、食道蠕動(ぜんどう)運動などの運動機能の低下があり、逆流した胃の内容物が食道粘膜への傷害性を高める為に引き起こされている可能性があります。

川崎医大 春間 賢教授より引用

投稿者:池上 孝