2009年08月31日
レム睡眠とノンレム睡眠
入眠するとまず、ノンレム睡眠が現われ、その後ノンレム睡眠の第1段階から第4段階までくると、今度はレム睡眠になります。
これを1つの同期として、朝まで繰り返すのが正常睡眠のパターンで、朝になるにつれて、レム睡眠の時間が延び、深い睡眠であるノンレム睡眠の第3・4段階が減ってくる。
レム睡眠では、体を支える筋肉がゆるみ、よく夢を見ています。朝覚えている夢は、だいたい覚醒直前のレム睡眠期の夢が多い。レム(REM)は、この時期にビクビクした休息な眼球運動がみられる事から名付けられた。
レム睡眠はノンレム睡眠の最も深い段階からしか移行しません。
高齢になるとこの睡眠パターンが変化してきます。
レム睡眠や深い睡眠である第3第4段階が減ってきて、夜間の覚醒の回数も増えて、全体の睡眠時間もすくなくなります。生理学的に年をとると眠れなくなる。
寝付きが悪いと、入眠障害、途中で何度も目が覚めてしまう途中覚醒、よく寝た感じがしないものを熟眠障害、早期に目が覚めてしまうのを早期覚醒。
老人では熟眠障害を訴えることが多く、うつ病では早期覚醒が特徴的です。
次回はナルコレプシーについてです。
投稿者:池上 孝
2009年08月24日
メラトニンと噛み合わせ
人間の体は神経やホルモンの働きにとって1日の生活リズムを作り、活動の時間と睡眠の時間を調整していて、そのリズムを作る役割を果たすのが、メラトニンという脳内ホルモンの一種です。とくに眠りに関わる大切な成分で、ぐっすりすやすや成分とも言われています。
脳の松果体から分泌されて、脈拍や体温、血圧を低下させることで自然な眠りを誘うのです。
午前2時頃が分泌のピークで、夜明けにかけて減少をして、朝に自然な目覚めをもたらします。
健康的な眠りを維持する為に必要で、ストレスには深く関わっている大切な成分です。
メラトニンの分泌は目の網膜が受ける光に影響を受けますので、朝日を積極的に浴びて、体内リズムを日照時間に合わせることが大切です。
メラトニンは免疫機能に関与していて、自然の若返りのホルモンとも言われています。
不規則な夜間生活を送っていると体内とけいが狂い、睡眠メカニズムも狂ってしまいます。
ほどよい疲れを感じる体に、体を動かして、温かい風呂で温まり、寝る前の飲酒・カフェインの摂取を控える。また、体だけでなく脳も活発に働かせて、寝る前にリラックスすることも大切です。
噛み合わせ治療でメラトニンが3倍に増えるという報告もあり、症例もあります。
次回はレム睡眠とノンレム睡眠についてです。
投稿者:池上 孝
2009年08月17日
年齢と熟睡度について
人は年をとるにつれて、寝付きが悪くて、夜中に目が覚め、朝は早く目覚めて、なかなか蒲団から出られなくて、しかもぐっすり眠れたという感じがしなくて、床の中で過ごす時間が長くなり、しかも何をする気力もなくて、働く意欲もなく、日中ボーとしているために、身体の不調感を強く感じる様になり、睡眠薬の量は次第に増加し、起床時には薬効が残って筋肉の緊張がとれることでふらふらして転倒しやすくなる。
でも、病院で検査をしてもどこも悪くないと言われる、そんな経験はありませんか?
誰でも不眠になると、寝床の中で過ごす時間を少しでも増やそうと考えます。
健康人が眠れることが出来る時間は、年齢によって決まっていて、それ以上は眠れないのです。
成人なら7時間、歳をとると6時間くらいなのです。
だから、寝床で過ごす時間は7時間以内で、11時就寝で、6時起床の遅寝早起が良いのです。
長く眠ろうとすればするほど、熟睡度は減るのです。
又、あまり長く眠ると健康には悪いというデータもあるようです。
食事に関しては、快眠に関与するグリシンというタンパク質で大豆食品、エビや貝類、豚の脂身や鳥の皮に多く含まれていると言われています。
そして規則正しい生活を送ること、程よく疲れるくらいに体を動かすと言われていますが、それにもうひとつ、メラトニンがあります。
次回はメラトニンと噛み合わせについてです。
投稿者:池上 孝
2009年08月10日
私の考える噛み合わせ診断方法
噛み合せの決定的な診断法はありません。症状の緩和の指標の選択肢は多ければ多いほどよく、私なりに取り入れた診断法であって、初診時の症状とスプリント装着時の症状の変化を比較することで診断の参考にしています。 |
(握力計、背筋計)
筋力は体力を精成する重要な要素の一つで、身体の他の筋力との相関関係が高いことから、全身の筋力の程度を知る指標と考え、握力計・背筋計を取り入れています。
最終の診断は患者さん自身がスプリントの装着時とスプリントを外した時の全身の症状の改善度により決定するのです。
次回は、年齢と熟睡度についてです。
投稿者:池上 孝
2009年08月03日
Ⅱいびき、無呼吸、に対する歯科的な根本治療について
現在のスリープスプリントの考え方は、下顎を前に出すことで気道が広くなったり、呼吸がしやすくなり、引いてはいびきをかきにくくなるとの考え方で根本的治療ではなく、対称療法であり、中断すれば元の状態に戻りますね。
又、夜間のみの装着であり、スリープスプリントを外した時、噛み合わせがズレて違和感 ます。
食べる時以外スプリントを装着する事で、鼻閉感の消失は約6割に認められています。
スプリント装着により、顎位の変化を伴い、咽喉頭諸筋の緊張亢進や、副交感神経刺激により、鼻呼吸の改善している可能性があります。又、鼻は外界の空気を暖めたり、湿気を与えたりして、体に取り込む重要な役目をしていて、冷たい空気が入ってくると、鼻の通りをせまくして暖めます。そして、体外から暖かい空気が出る時、再び鼻の通りを広くします。だから鼻から吸って口からはくという一方通行の呼吸では鼻は詰まる一方です。
私の臨床で、スプリント装着する事で、鼻閉感の消失は6割に認められています。
私が思うに、夜間のみ半強制的に下顎を前方に固定しなくても、スプリント装着により、下顎は前方に移動して自分自身で身体に一番良いバランスのとれる位置を決めてくれます。
下顎の位置が変われば頭の位置も変わり、引いては姿勢まで変わってきます。
その顎の位置でいびき、無呼吸を含め身体の不定愁訴が改善するのであれば、そこで噛める様に治療するのがまさに根本治療なのです。
それを証明するための診断法が重要なのです。
次回は、私の考える診断法です
投稿者:池上 孝