2008年03月24日
ドクターショッピング
医師は患者の訴えや、検査結果で病気と判断します。
また、患者が病気として自覚していなくても病気として判断する事もあろうかと思います。
現代医学の高度化、細分化により、医師は身体症状、原因が他の領域にある事に気付かず、自分の専門領域にこだわり、検査結果に異常が認められなければ、「気の持ちよう」「気にし過ぎ」「年のせい」として片付けます。
患者ははっきりとした自覚のある身体症状を認めている為、そんな事はない!!と、別の医師、病院へと次々と渡り歩くドクターショッピングを始めます。
医師は、患者が複数の身体症状を持ち、検査結果でも病気として確認出来ないものを、「~症候群」として診断します。
例えば自律神経失調症、すなわち自律神経がバランスを崩すという原因があって、身体に症状が出るという結果が出ているのが不定愁訴です。
この、不定愁訴こそが、「~症候群」である。
これからは、「~症候群」に対し、全人的医療(ホリスティック医療)として捉える方向に行くべきだと思います。すなわち“疾患だけ”を診るのではなく、“その人”を総合的に診る事ではないでしょうか?
歯科の立場で見ると、噛み合わせ治療でも「歯を診る」か、「歯で診る」かの違いであり、歯を診るにしても、一歩下がって、複点をその人を全身的に診る事により、視界はもっともっと広がり、原因不明のドクターショッピングという苦しみから救う事も可能になると思います。
投稿者:池上 孝