2007年10月15日
化粧療法
美しくありたいと願う女性の心はいくつになっても変わりません。
老人介護施設で、基礎化粧をして、頬紅、口紅、眉毛を描いていくと、お年寄りの表情が豊かになり、病室にこもっていた老人が歩行訓練に励むようになり、おむつも外してトイレまで行く様になったそうです。化粧をする事で羞恥心がよみがえり、見られている自分に気づくようになったからでしょう。
それは、精神安定作用や、今までより物事に積極的になるなどの成果が報告され、痴呆症状の緩和にも期待が出来るかもしれませんね。
女性にとって化粧は若返りの魔法の様なものですが、男性でも、人に関心を持たれ、豊かな人間関係を築いている人ほど長生きをする様です。
健康であれば、女性はいくつになっても化粧とアクセサリーで、飾りたいと願望は持ち続けるでしょうが、何か身体を患っていれば、心身の余裕もなくなり、自分自身を振り返る事も出来ないのではないでしょうか?
この症例は初診時ノーメイクで、ノーアクセサリーでありましたが、噛み合わせ治療により健康を取り戻す事で、メイクをして、アクセサリーを付けていますね。
私が思うに、健康を取り戻した事で、心身に余裕が生まれ、自分を振り返る事が出来る様になったのではないでしょうか?
すなわち化粧を強要しなくても、健康と心にゆとりを取り戻した事で、自分自身で、化粧をする事が可能になった症例です。
投稿者:池上 孝