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歯の噛み合わせ

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2018年03月24日

オーラルフレイルと噛み合わせ

フレイルとは高齢になり、筋力や体力が衰えた状態の事で、健康と病気の中間的な状態で「もろさ」「虚弱」を言います。
加齢と共に筋力が衰える事を「サルコペニア」と言い、ギリシャ語で「肉」「筋肉」を表すsarcoと、「減少」「消失」を意味するpeniaを組み合わせた「筋肉の減少」という意味です。
要介護と病気の一歩手前で、健康でもなく病気でもない未病をを言います。
フレイルの最大のリスクと言われるサルコペニアとは、加齢等による筋肉の減少で、要介護の入り口とも言われています。
特に足の筋肉が減少すると、ちょっとした段差にも躓き、転倒しやすく骨折等で要介護になり、外出頻度が減少し、社会との接点も減り、認知症になります。
歯を失ったり噛み合わせが狂うと、オーラルサルコペニアになり、噛む力が低下する為に食事が喉に詰まりやすくなったり、飲み込む力が衰えると、お茶や汁物でも咽やすくなります。
奥歯を失い噛み合わせが出来ないと、咀嚼に必要な筋肉が減ってしまう為に、軟らかい物、食べやすい物ばかり食べていると口の周りの筋肉が衰えて本当に食べられなくなります。
また、口角は口輪筋の動作は鈍くなり、飲み込む力が弱っていき、耳下腺への刺激が少なくなり、唾液は減少し、食塊の嚥下が困難になります。
舌は歯列弓からはみ出し、萎縮し動きは鈍くなり、顎下腺、舌下腺への刺激も少なくなり、唾液の分泌量は更に減少します。
また舌は、前下方へ移動して乾燥し、免疫力は低下します。
唾液の分泌が低下すると、ドライアイ・ドライノーズ・ドライマウス・便秘・下痢にも繋がり、歯周病が進行し、口臭も酷くなります。
「滑舌の衰え」「食べこぼし」「わずかなむせ」「噛めない食品が増える」等、些細な口腔機能の低下を見逃さない事が大切で、このわずかな口の衰えは、身体の衰えと大きく関わっているのです。
噛めない事がオーラルフレイルに繋がり噛めることがオーラルフレイルの予防なのです。

投稿者:池上 孝