2008年06月24日
ピロリ菌とは(Helicobacter Pylori)
ヘリコバクター・ピロリ菌とは体長約3ミクロン程のらせん形菌で、数本のシッポがあり、そのシッポをヘリコプターの様に回転させて移動する事から、ヘリコバクター・ピロリと名付けられました。
日本人の40歳以上の約75%、人の胃の中に、ピロリ菌がいると言われています。
ピロリ菌は人から人への経口感染(口から口)がほとんどで、母親から子供への感染が主体と言われています。又、ゴキブリがピロリ菌を運んでいる可能性も指摘されて、特に、小さい子供のいる家では、ゴキブリ駆除を心掛ける事も大切です。
ピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因菌と言われて、胃ガンリスクの5倍説、又、ガンの成長促進作用があるとする説。胃粘膜が薄く、胃酸分泌障害の委縮性胃炎の人は、健康な人に比べて胃癌リスク3.8倍、ピロリ菌のいる人は5.1倍、両方ともあると、なんと、10.1倍になると言われています。
薬により、ピロリ菌を除菌すれば、胃潰瘍や胃ガンの再発は減少すると言われていますし、ピロリ菌感染率が低下している現況では、胃ガンの発生率が低下している可能性もあります。
一方、ピロリ菌感染者には、花粉症が少ないとも言われています。
そこで、安易に抗生物質を用いれば、ピロリ菌はどんどん進化して、大きく変貌する可能性を秘めている菌でもあります。
しかし、ピロリ菌感染は逆行性食道炎の発生に防御的に働いている可能性もある菌でもあります。
では、次回は、その逆行性食道炎についてお話しようと思います。
投稿者:池上 孝