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歯の噛み合わせ

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2008年06月24日

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)と逆流性食道炎との関係

逆流性食道炎は高齢者に多い疾患ですが、高齢者では、日本古来の痛態(多くは亀背による食道裂孔ヘルニア)に基ずく逆流性食道炎であります。
最近、若年者は、生まれながら欧米化した環境に育っており、ピロリ菌感染率は、低下していますが、逆流性食道炎は国内外とも、増加している事が、注目されています。
多くの消化管疾患が欧米化しているのと同じく逆流性食道炎も若年者において、類似した病態で、発生している可能性があります。
ピロリ菌非感染者では、胃粘膜の委縮は起こりませんが、高齢者では、胃酸分泌が低下しない為、逆流性食道炎は発生しないが、逆流防止機構[下部食道括約筋(LES)のゆるみ]が破綻(傷害)すれば、逆流性食道炎が安易に発生すると考えられます。ピロリ菌感染者では、胃粘膜委縮を起こし、胃酸分泌が低下する為に、逆流性食道炎を発生しにくく、防御的に働いている可能性があります。
また、胃炎や、消化性潰瘍、胃癌などの疾患の重要な因子であります。
60歳以上の老齢者はピロリ菌感染率は低いと言われていますが、ピロリ菌感染後の逆流性食道炎の発生率は高いとの報告もあります。
除菌後に発生する逆流性食道炎は、一般に軽症であり、増悪する事も少なく、むしろ改善する様でありますが、十二指腸潰瘍患者では、発生が著しく高い様です。
ここに噛み合わせ治療による唾液の増加、姿勢の変化が何らかの形で関与している可能性もあるかもしれません。

川崎医大 春間 賢教授より引用

投稿者:池上 孝