2008年06月01日
味覚障害(味覚異常)と噛み合わせ
味覚障害には味の基本である四つの感覚(酸、塩、苦、甘)のうちいずれかの、味覚が減退して、味の識別が悪くなる場合と感度が低下する場合があります。
味の感じ方がおかしい、食べ物の味がわからないなどの味覚障害の人は、年間14万人位いると推定されています。
老化に伴い、味の感覚も減退するため,増えますが60歳代がピークで、3対2の割合で女性に多くみられます。ただ40~50歳代の女性に軽症が多いと言われています。又味覚障害に合併して舌痛症を訴えている人もあります。
味を感じる仕組みは、我々の舌の表面には「味蕾」と言われる味を感じるセンサーがあります。
味蕾は味細胞が40~50個集まったもので、花の蕾のような形をしていて、味細胞の先には「微小毛」というアンテナの様なものがあり、唾液に溶け込んだ味の成分をとらえて、味の情報を神経を通って脳へ伝えています。
味細胞は常に新しい細胞に生まれ変わっており、そのサイクルは10日位と言われています。その時必要なものが「亜鉛」なのです。
亜鉛の刺激によって味細胞の再生が促されるのですが、亜鉛が不足すると味細胞の再生がうまくいかないことが味覚障害と舌炎の原因と言われています。
又舌を含めて口の中全体を覆っている粘膜には適度な湿り気は不可欠ですが、加齢や薬の副作用によって唾液が不足することで口が渇き、その唾液が不足すると粘膜の中にある味蕾もダメージを受け味覚障害と舌炎の原因とも言われています。
以上のことから、不足している亜鉛を食事と薬から補うことと、噛み合わせ治療により唾液が増加することで治療法として選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか。
2008.5.22
投稿者:池上 孝