2009年10月05日
味覚障害(味覚異常)と噛み合わせ
味の感じ方がおかしい、食べ物の味がわからないなどの味覚障害の人は、年間14万人位いると推定されています。
老化に伴い、味の感覚も減退するため、年代が上がるにつれて増えますが60歳代がピークで、3対2の割合で女に多くなっています。ただ40~50歳代の女性に軽症が多いと言われています。又味覚障害に合併して舌痛症を訴えている人もあります。
味を感じる仕組みは、我々の下の表面には「味蕾」と言われる味を感じるセンサーがあります。
味蕾は「味細胞が40~50個集まったもので、花の蕾のような形をしていて、味細胞の先には「微小毛」というアンテナの様なものがあって、唾液に溶け込んだ味の成分をとらえて、味の情報を神経を通って脳へ伝えています。
味細胞は常に新しい細胞に生まれ変わっており、そのサイクルは10日くらいと言われています。その時必要なものは「亜鉛」です。
亜鉛の刺激によって味細胞の再生が促されるのですが、亜鉛が不足すると味細胞の再生がうまくゆかないことが味覚障害の原因と言われています。
又加齢や薬の副作用によって唾液が不足することで口が渇き「舌炎」などを引き起こすと言われています。
舌を含めて口の中全体を覆っている粘膜には適度な湿り気は不可欠であり、その唾液が不足すると粘膜の中にある味蕾もダメージを受け味覚障害の原因とも言われています。
以上のことから、噛み合わせ治療により唾液が増加するとすれば治療法として選択肢の一つに考えてみて下さい。
次回は膠原病についてです。
投稿者:池上 孝