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歯の噛み合わせ

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2009年12月21日

義歯安定剤と認知機能障害

義歯安定剤を過剰に使用することは安定剤に含まれる亜鉛成分によって血中の亜鉛濃度が上昇して認知機能障害などの神経障害の症状が発現するとの報告があります。
血液検査の結果から、亜鉛過剰症、銅欠乏症と診断されています。

血中の亜鉛濃度と銅濃度のバランスが神経系統に与える影響は大きく、一方の濃度が大きく上昇するともう一方は下降する。
亜鉛を含む義歯安定剤のチューブを週に2本以上使用する場合、中止すて銅のサプリメントを摂取により、神経障害の改善がみられた。
又、銅のサプリメントを摂取しながら義歯安定剤の使用を続けると血中の銅濃度は正常値に回復したが、亜鉛濃度は高いままで症状の改善はしなかった。
亜鉛欠乏症の症状は皮膚炎と味覚障害があり、サプリメントの応用が有効と言われています。
銅の欠乏症症状は、神経障害、鉄投与に反応しない貧血、白血球減少などがみられるそうです。

成人の1日あたりの亜鉛摂取量は男性で9mg、女性で7mg。上限量は男女とも30mgとされています。
1日あたりの義歯安定剤の使用量は1~1.5gと考えてみると、摂取量の上限を上回ることも想定されます。
義歯安定剤がそのまま生体に摂取されるわけではないのですが、長期間にわたる過剰な使用には注意が必要です。
解決策は義歯安定剤を必要としない入れ歯、すなわち噛み合わせを考慮した入れ歯です。
次回は「なぜ義歯安定剤」です。

投稿者:池上 孝