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2010年01月11日

口腔扁平苔癬(oral lichen planus)

皮膚と口腔粘膜における慢性の角化異常を伴う炎症性のひとつ。

 原因 
原因は不明とされていますが、細菌やウィルスによる感染、薬物、歯科用金属アレルギー、ストレスなどが考えられていますが、促進因子として、口腔内刺激および喫煙などが関与するといわれています。
C型肝炎に罹患している割合が高いとも言われています。

 発生頻度
口腔粘膜における罹患率は0.02%~0.22%といわれています。40~50歳代がピークになり、10歳以下にはないとされています。男性より女性に多く見られます。

 発生部位
80%~90%が頬粘膜で、とくに歯列咬合面に相当する頬粘膜に認められ、時に舌、口唇(特に下唇)、口蓋、歯肉にも認められます。

 臨床症状
疼痛がもっとも多く、次いで口腔の荒れ、出血、不快感、灼熱感、味覚異常を訴えます。
口腔粘膜では、幅1~2㎜ぐらいの乳白色細かいレース状や網目状の白斑として現れ、定型的なものは両側性粘膜に見られますが、この網状模様は日時の経過とともに赤みを帯びたりその形状を変え、接触により出血しやすく痛みができます。
病変は左右対称に生じることが多い。
慢性経過をとり、1~10年程度のものが多く、非常に長いのが特徴です。
口腔粘膜にできるものは稀に癌化することがあり、癌化率は5~15%と考えられていますが、日板症との鑑別が必要です。

 治療
副腎皮質ホルモン口腔用軟膏の塗布やビタミンA製剤の使用が有効ですが、副作用が強く、休薬すると再発することも多い。
病変が小さい場合は、切除やレーザーによる治療も試みられていますが、一度良くなっても再発を繰り返す慢性疾患で虫歯や義歯の不適合などは症状を悪化させるため、歯科を受診して口腔内環境を良好に保つことも大切です。

次回は、一症例を提示します。

投稿者:池上 孝