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歯の噛み合わせ

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2010年04月12日

噛み合わせと口角炎

口角、つまり唇の片側、ときには両側の皮膚、および粘膜に炎症を生じ亀裂や腫れ、痂皮(かさぶた)ができて慢性に経過する皮膚疾患で、口を開けると 疼痛を伴います。
小児や老人にみられ、小児では男児い多く、中高年では女性に多くみられます。
原因は、口角部の皮膚が唾液によって浸軟されて、ここに2次的に感染が起こるといわれています。
又、口腔粘膜は赤唇を経て口唇の皮膚にいたるが、その赤唇の幅は口角で最も狭く、粘膜と皮膚とは近接していて、しかも皮膚が少し口裂に落ち込み、皮膚の溝が形成されています。
上下の顎間の距離、すなわち咬合高径が低くなり、口角部の皮膚が折れ込んで溝をつくり、そこに常時唾液に接する状態になり角質層は浸軟され亀裂ができます。この裂隙に毛細血管現象により常に唾液が停滞し、皮膚はさらに軟らかくなって深い溝やびらん、潰瘍が生じます。潰瘍面は痂皮で覆われるがこれも浸軟されます。
また、口角は運動変形のはなはだしいところなので、痂皮は脱落して創は開きます。そして口を動かすと、引き裂くような疼痛を感じるので開口障害が起きることもあります。
他に歯科治療時の過度の牽引後、口腔内不潔によるカンジダの増殖が考えられます。
全身的免疫力低下、ビタミン欠乏症、糖尿病、鉄欠乏症、貧血、ステロイド剤、抗生物質の長期使用、消化器系疾患が関与しているとも言われています。
一般的には胃の調子が悪くなると起こりやすいと言われています。
抗真菌剤や抗生物質、ビタミン剤の摂取、口腔保清は必須条件ですが、疲労、ビタミン不足は密接な関係があるようです。
私の臨床経験から低位咬合を咬合治療により拳上することにより、口角部の皮膚は挙上により、唾液の停滞が解消される為に、口角部の皮膚は乾燥状態になり痂皮が形成され治癒に向かうと考えられます。
自律神経が調整されることで唾液が増加し、長期的にみると免疫力ホルモン力も高まり、胃症状の緩和につながると考えられます。
101歳 女性
唾液が増加し、味覚(甘味の回復)を認め、便秘、眠りの改善
噛み合わせ 約3mmの挙上
73歳 女性
唾液の増加、目のかゆみ、エヘン虫、鼻閉、喘息、肩こり、腰痛の改善
噛み合わせ 約20mmの挙上
69歳 女性
唾液の増加、疲れ目、エヘン虫、鼻閉、快眠、快便、肩こり、腰痛の改善
噛み合わせ 約5mmの挙上
次回は口内炎についてです。

投稿者:池上 孝