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2010年05月17日

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と総義歯の夜間の装着について

日本人のOSASは人口の1%(120万人)以上、さらに習慣性いびき患者は13%(1600万人)以上と言われています。OSASは眠っている間に呼吸が止まったり、いびきをかくだけでなく、多彩な症状を呈し、それが社会生活にも重大な影響を及ぼす疾患です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の閉塞部位は、上気道で軟口蓋(特に口蓋垂部)、舌根部の後方への変位、咽頭部後壁の前方への突出等が考えられます。
夜間の睡眠中に眠りが浅くなり、睡眠不足を生じて倦怠感や集中力低下が原因で性格の変化(うつ状態)、労働力・学習能力の低下をきたしQOLの低下を招きます。
さらに動脈硬化を促進させ、高血圧、心不全、脳卒中、冠状動脈疾患と関連して寿命を縮めると言われています。
睡眠時に総義歯を70%の人が外していて、OSASの発生率は約80%で他の高齢者より高い可能性が考えられます。
総義歯を外すことで、下顎の位置が不安定になり、舌の位置が変わり上気道が閉鎖される可能性が考えられます。
総義歯を装着することは、下顎、舌、軟組織位置の変化、咽頭気道のスペースの変化が回復することでOSASの70%位改善されると考えられます。
ここで言う総義歯とは、咬合治療でその人に最も適した高さの顎の位置の総義歯を指すものです。
睡眠時に義歯を装着することにより、深い眠り(ノンレム睡眠)を得ることに繋ということを知って頂きたい。

次回は生活習慣病と不眠についてです。

投稿者:池上 孝