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歯の噛み合わせ

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2010年07月12日

クローン病(IBO)

口腔から肛門までの消化器官に潰瘍のできる病気です。
原因は不明ですが、ストレスも危険因子ですが、免疫系の機能不全に対する遺伝的素因を持っていると言われています。
経口避妊薬常用者では1.9倍、喫煙者で1.8倍と高く、受動喫煙も、出産前の妊婦で1.7倍、子供で2.0倍とリスクが高い。
口の中やのどの出物も出来ますが、歯科との関係は不明です。咬合治療により長期的に見れば自律神経免疫系ホルモンの改善に伴い、何らかの変化が期待出来るかも知れません。
欧米では日本の何倍もの患者が居り、日本でも食生活が欧米化に成りつつ有る為に患者数は近年増加傾向に有ります。
日本での患者数は2万人以上で、10~30代に多くみられ、男女比では2:1で男性に多く、発症場所は小腸の最後の部分の回腸と大腸に多くて、小腸に起こるのは全体の35%、大腸だけに起こるのが20%、小腸の後半と大腸にまたがるのが45%です。
病変の型は狭窄型と穿孔型があり、穿孔型のほうが重症です。
症状は、腹痛、下痢、発熱が三大症状で、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、吐血、血便、貧血、これらの症状は数日から数週間継続しますが、治療をしなくても治り、完治はまれだが生命にかかわることはありません。
薬物療法として痛みを和らげ、症状を軽減する、下痢止め薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、抗生物質薬、食事療法、手術などがあります。
手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と高く、手術後の再手術率も5年で28%と高く、診断後10年の累積生存率は96.9%です。

次回は過敏性腸症候群(IBS)についてです。

2010.6.19

投稿者:池上 孝