カテゴリー

最近の記事

過去の記事

お問い合わせ先
岡山県岡山市中山下1-5-38
池上歯科医院
TEL:(086)-231-0086
FAX:(086)-234-2999

歯の噛み合わせ

TOPページ>>その他の症状

2010年08月23日

誤嚥性肺炎と歯科

日本人の死亡原因の三大疾病であるガン、心疾患、脳血管疾患に次いで肺炎があります。
64歳以上の死亡率が96%と高く、90%異常は高齢の人です。
高齢者の肺炎は、口の中の唾液、たん、食べ物が気管に入り込み(誤嚥)、口の中の細菌が肺まで到達し、炎症を起こします。
高齢者の肺炎は、夜つくられると言われています。健康な老人であれば夜ぐっすり寝ていても飲み込む動作はあまり低下しませんが、脳血管障害のある人や向精神薬を服用している人は、熟睡しているときに不顕性誤嚥(胃液が肺に入る)を起こすことがあります。
食べ物や唾液が食道でなく、誤って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。
通常食べ物がのどに入ると反射的に気管は塞がれますが、老化によってこの反射が衰えると、気管が塞がれないために、唾液や食べ物が気管に入りこみ、肺に入って食べ物や唾液の細菌が肺炎を引き起こします。これが誤嚥性肺炎です。
飲み物や食べ物を飲み込む動作を嚥下といい、普通食道を通って胃に運ばれます。
食道と気管は隣り合わせで、気管の入り口が大きく開いており、このままでは飲み物、食べ物は気管に入ってしまいます。
それを防ぐために、喉頭蓋という軟骨がフタの役目をして、嚥下の動作により気管の入り口をふさぐのです。
健常者でも誤嚥はします。咳やむせにより気管から出します。仮に口の中に細菌が気管や肺に入り込んでも、体力や抵抗力、免疫力、により細菌を駆除するため、生活上さほど影響はありませんが、高齢者や脳疾患などの為、嚥下機能低下がある人はうまく飲み込めず、喉頭蓋の働きが低下し、誤嚥した時の咳やむせが鈍くなり、気管へ誤嚥します。誤嚥により口の中の細菌が気管や肺に入り、体力、抵抗力、免疫力の低下により、細菌を駆除できず、肺炎にかかる危険度が増えます。


口腔ケアの必要性
歯磨きや入れ歯の清掃等の、手入れを行っていなかったり不十分の場合、口の中の細菌が繁殖を続けています。口の中や入れ歯を綺麗にすることで細菌を減らし、誤嚥性肺炎のリスクを下げます。
また、歯のある高齢者の多くが、歯周病にかかっていて、歯周病は口の中の細菌が原因で起こっている、歯肉の病気ですが、全身にも悪影響を及ぼしているのです。
歯周病の治療も予防には大切なのです。

以上は現在一般的な考え方なのですが、咬合治療により唾液が増量し、口腔内の容積は広がり、舌の運動域も広がることにより、誤嚥性肺炎の予防にも繋がる可能性がある事を知って頂きたい。

2007年8月6日のブログをどうぞ。

今回の記事で祝ブログ200回です!
次回は「噛み合わせと病気との関係について、私の考え」

投稿者:池上 孝