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歯の噛み合わせ

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2011年01月11日

噛み合わせと介護5の改善された1症例

88歳男性、介護が必要で、手足が不自由でほとんど動かなく、施設の中で車椅子生活だったのですが転倒後、義歯が入らなく食べられなくなり、胃瘻も考えられたのです。
口は半開きで奇声を発して、うがいもゴックン(嚥下)も出来ない状態でした。
義歯に上下で約2㎝挙上したスプリントを装着し、噛み合わせ治療を始めると、直ちに唾液が増え、よだれが垂れ落ちる様になりました。その後コックンが出来る様になり、今まで飲み物で、むせていたのが、うがいも出来る様になるまで回復してきたのです。
手は少しずつ拳がり出し、歯ブラシを口にまで運ぶことも可能になり、ついにスプーンを保持して、介護はいりますが食べられるようになりました。

足も少しずつであるけれども動き出して、1ヶ月後には足を持ち上げて静止が出来、蹴る力も出てきました。
最初は動物的な言葉を発していたのが、まだらボケ状態が少し改善されたのか、意思の疎通が取れる様になり、会話も出来だし、詩吟が歌えるまでになったのです。
そして、尿意、便意を感じ言葉で言える様になり、握力が出て来た為に、トイレの手すりが握れる為、介護はいりますが、便座が使用できる様になってきたのです。
最初は不消化便であったものが、今では軟便になり、臭いも大きく変化したそうです。
介護も楽になりベッドでのパッドの交換もなくなり、室内の臭みもなくなったり、普通の車椅子で自分で少しずつですが移動が出来る様になり、介護5が介護4 になりました。夜間の睡眠も改善されている様です。
私が思うに、咬合治療により、自律神経が調整され、唾液が増加し、消化が改善され、便が変わった事と、前頭葉眼窩皮質の血流が改善された為にまだらボケ状態が改善されたものと思います。

家族の方、介護の方の協力により、たったの一例ですが貴重な経験が出来た事に感謝しています。

症例の写真を提示いたします。




※全ての写真は、動画の中の静止画像です

投稿者:池上 孝