2013年01月16日
噛み合わせと胃症状(逆流性食道炎)
胃には3つの役割があります。
食べ物が胃に入ると、胃を大きく膨らませて貯留機能、食物に胃酸を混ぜてドロドロにする撹拌、混和機能、食物を受け入れて蠕動運動、吸収により十二指腸に送り出す排出機能など、胃袋はただの袋ではなく、「高性能な多機能」な袋なのです。
胃の不快な症状には、胸やけ、呑酸(すっぱいものが込み上げる)、胸の痛み、つっかえる感じ、嗄(せき)声(声がかすれる)、耳のあたりの痛み等があります。
症状は、胃の中の胃酸が、食道に逆流する事が原因の1つと考えられる、酸逆流症状と呼ばれています。
胃は他の消化器と異なり、壁細胞という細胞から作られた胃液は強い酸の塩酸と、ペプシンという消化酵素を主成分とし、食べ物の中の雑菌を殺菌、蛋白質を消化する役割があります。
胃壁も蛋白質で出来ているが、ペプシンで消化されないように粘膜でコーティングされています。
又、胃壁に塩酸がしみ込むのを防ぐ為に、粘液細胞が弱アルカリ性の重炭素を分泌し、粘膜層の中で中和反応が起こる防御機能があるのですが、食道にはないのです。
そこで、胃液が食道に逆流して食道内を傷つけないように、食道と胃のつなぎ目に、括約筋が常に収縮し、食べ物が通過する時、約5秒間だけ開くようになっているのです。
ところが、加齢に伴なって筋肉の収縮力が弱くなり、括約筋が開きやすくなったり、内臓脂肪が蓄積されて胃を圧迫する事により、胃酸が逆流し、長時間食道に食物が滞在すると、食道粘膜が傷つき、炎症を起こすのが、逆流性食道炎です。
胸やけ、吞酸が典型的なものです。
医科では原因は、食後、横になったり、前かがみの姿勢をとったり、お腹に力を入れた時起こりやすいと言われています。
薬物療法で対応していますが、歯科的考え方として、噛み合わせ治療により、自律神経が調整される為に、唾液の増加、前かがみ姿勢、猫背の改善により、これからの症状が緩和、消失する可能性を知っていただきたい。
選択肢の一つとして考えてみてはいかがですか?
2013.1.14
投稿者:池上 孝