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歯の噛み合わせ

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2020年03月16日

オーラルフレイルと介護、認知症の予防について

フレイルとは、健康と要介護の中間の状態を言います。
オーラルフレイルとは、噛めない、食べこぼし、滑舌が悪い、ちょっとの事でむせたり、口が乾く等の些細な口の機能の低下した状態を言います。

オーラルフレイルはフレイルの原点です。
高齢者で入れ歯・ブリッジ・インプラント等で満足できていますか?
痛い・咬めない・外れやすい・しっくりこない人は多くて、原因不明で身体に不調を訴えて医者回りを繰り返し、薬物療法や東洋医学療法、漢方薬やサプリメントに頼っている人も多いと思いますが、それで満足できていますか?
ほとんどの人は「年のせい」と諦めていませんか?
機械でも長年使い続けるとどうなりますか?
金属はすり減って、金属疲労も起こしますが、機械は部品交換で改善します。
しかし人間には部品がありません。
歯も短くなり骨も関節もすり減って身体も縮んで噛み合わせも低く低くなり、頭は傾き、姿勢も身体の歪みにより猫背となり、腰、膝の左右に大きな負担がかかり、左右のバランスが狂い、足も引きずり痛みとなっている可能性があるのです。
また、顔の長さも縮み、口角は下がり、口唇は薄くなって、ほうれい線ができ、いわゆる老人の顔になっているのです。
手術でメスを入れる前に噛み合わせを考えてみませんか。
メスを入れるのはその後でも良いのではないでしょうか?
噛み合わせ不良で目の奥の前頭葉眼窩皮質部の血流の低下が、うつ、認知症やパーキンソン病に関与していると言われています。
その原因は入れ歯、ブリッジ、インプラント等の高さに関係が深いのです。
そこに歯の「噛み合わせ」が関係しているのです。

投稿者:池上 孝

2020年03月13日

高齢者の便秘と噛み合わせ

がんは便秘に始まり便秘に終わるとも言われています。
日本人の1700万人以上が便秘に悩んでいて、女性は20代から50代が圧倒的に多く、男性は60代になると同数になり、70代以上になると男性の方が多くなります。
腸には全身の免疫細胞の6~7割があり、便秘で腸内環境が悪化すると免疫機能も弱まり、免疫力が落ちがんのリスクも高まります。
大腸がんは自覚症状が少なく、最初に現れる症状が便秘で直腸がんは、残便感と便秘との区別がつかないこともあります。

排便が4日に1回以下の人は毎日排便する人に比べて便秘でいきむ為血圧が急上昇して脳卒中による死亡リスクは2.0倍、心筋梗塞は4倍です。
便秘が解消できれば高血圧や高血糖の様な生活習慣病のリスクを下げることに繋がり、ストレスが原因の過敏性腸症候群は、自律神経の不調が背後にあり、鬱の人は、そうでない人に比べて約3倍も発症しやすい。
自律神経は交感神経と副交感神経がお互いにバランスをとりながら働いて、ストレスが続くとバランスが崩れ、睡眠時には交感神経が高ぶって不眠になり血行も悪くなり、疲労もとれなくなり、うつ病に繋がります。
また、慢性的なストレスのある人は、腸の動きも悪く、便秘になりやすくなります。
更に「幸せホルモン」と言われるセロトニンの9割は腸で作られていて、腸の調子が悪くなれば、セロトニンの分泌量が減り、疲れがとれにくく、うつ病の悪化に繋がります。
また、抗うつ薬は腸の蠕動運動で阻害する副作用があり便秘になります。

便秘は腸を動かす筋肉や神経が衰える為に、腸に入った食物を肛門に運ぶ腸の蠕動運動も鈍くなり、食物を消化するのにも時間がかかる為、便の水分がどんどん奪われ、便が硬くなります。
そして硬くなった便が肛門を傷つけ痔に繋がり筋肉の衰えも重なり、力めなくなるから便秘が悪化し、便秘薬が手放せなくなります。
そこで、下剤を飲むと下痢が起こり、腸壁を傷付ける事で大事に至る事もあります。
便が3日出なければ、半年寿命が縮まるとも言われています。
刺激性の下剤は習慣性や依存性があり、下剤が大腸の役をする為、大腸が動かなくなり、筋肉も衰えて徐々に機能が低下して、腸は自らを絞ったり広げたりする運動を繰り返す
が、薬漬けになった腸はダラーっと伸び切ってしまうと、治療をしても便秘の改善は望めません。

便秘の人と、便秘でない人を比べると、便秘の人の方が生存率は低い。
腸と心は密接に繋がっていて
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、空気の通り道である、肺の気道が炎症を起こし、少し動いただけで息切れ、咳、タンの発症に繋がる可能性があります。

便秘の人はトイレで強く力んで息を止めることで、肺の機能が低下し、動脈の酸素量が急激に減少し、低酸素症になり、最悪意識障害を起こすこともあります。
便秘になると腸内で尿毒素が生じやすく、肝臓に負担がかかり、腎臓病の引き金にもなります。
また、脳の神経細胞を破壊するレビー小体を生み出す物質が腸から脳へ伝わる経路があるのではないかと考えられているようです。
また、脳の神経が破壊され、手の震えや歩行困難のパーキンソン病も便秘に関係しているとみられています。


便秘の解消法
一般的には自然排便をするには水をたくさん飲むことを言われていますが、便秘の改善は望めません。
ただ身体がむくむだけです。
もしそれが本当であれば便秘の人は少ないはずです。
直腸はくの字に曲がっている為、便がつかえやすくなっていますが、洋式トイレであればロダンの「考える人」のポーズの前傾姿勢で直腸はくの字が緩んで便が出やすくなります。
咬合治療で
噛み合わせを一時的に高くする事で下顎が前後左右に動きやすくなり自律神経が調整されて副交感神経が優位に働きその結果腸の蠕動運動が活発になり便通が改善するのです。
一度試してみてはいかがですか。

投稿者:池上 孝