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歯の噛み合わせ

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2020年12月24日

シェーグレン症候群と噛み合わせの関係

膠原病の1つで体の中に侵入してきた細菌ウィルスを攻撃する免疫の働きに誤作動が起こり、免疫が自分の身体の組織を攻撃する「自己免疫疾患」の1つです。
涙腺や唾液腺に反応することが多く、涙や唾液が少なくなり、目が乾くドライアイや、鼻が乾くドライノーズ、口が渇くドライマウスの症状が現れます。
また、随伴症状として疲れやすい、関節が痛む、寒さや冷たい水によって指先が白くなる「レイノー現象」(膠原病に特徴的な症状で、突然手や足の指先の色が白から紫色に変わる。寒冷や精神的ストレス等により血管が一時的に収縮する事で起こる現象)や耳下腺、顎下腺が腫れることがあり、症状が進むと日常生活に支障を来たします。
進行すると、全身症状として①多関節炎、②筋肉痛、③末梢神経障害による手足のしびれ、④間質性腎炎や間質性肺炎(組織と組織を埋める「間質」に炎症が起こる)を起こす事もあり、時には命に係わることもあります。
シェーグレン症候群の30%~40%で、関節リウマチや、全身性エリテマトーデスなど膠原病が合併していると言われています。
日本での患者は約7万人で、身近な症状の為見逃されている事も多いのです。
どの年代でも発症しますが、50歳代に多く見られ、女性が全体の9割以上と、圧倒的に多いのが特徴です。
国の指定難病の1つで原因はまだ不明です。
初期症状は「目が疲れやすい」「涙が出づらい」「鼻がつまる」「口が渇く」などの「ドライアイ」「ドライノーズ」「ドライマウス」などの症状があります。
治療は対症療法が主で、免疫の異常によって自分の組織が攻撃される病気で、免疫の働きを抑えるステロイド薬、免疫抑制薬を中心にした薬で飲み続けます。
局所的にはドライアイに対して点眼薬、涙点プラグが行われます。
ドライマウスに対して唾液の分泌を促す薬、唾液保湿ジェル等が用いられます。
唾液腺の腫れ、臓器障害に対してもステロイド、免疫抑制薬で症状を抑えますが、ステロイド薬や免疫抑制薬は副作用が起こる可能性があります。
私の30年来の臨床結果から、シェーグレン症候群の多くは、噛み合わせの低下が関係していると考えています。
噛み合わせが低い症例に対して咬合を高くする事で症状の改善に繋がる可能性があります。
割箸(4㎜)を噛んで、低くなった噛み合わせを一時的に高くして、5分咬むことで、ドライアイ、ドライノーズ、ドライマウス症状改善を体感する事が出来て、噛み合わせとシェーグレンの関連を自分自身である程度知る事が出来ます。
相談してみてください。

シェーグレン症候群(SS)にみられる症状
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投稿者:池上 孝